週末オススメ本ミシュラン
-
「統一協会」櫻井義秀著/中公新書
「統一協会」櫻井義秀著/中公新書 早くも統一教会問題が過ぎ去ったことのように扱われているが、それを原理的に追及するこの本に、合同結婚式の後、韓国に渡って結婚まで地元の教会に住み込んで送る「任地…
-
「太平洋戦争史に学ぶ 日本人の戦い方」藤井非三四著/集英社新書
「太平洋戦争史に学ぶ 日本人の戦い方」藤井非三四著/集英社新書 太平洋戦争を題材に日本はいかに戦うことがヘタクソかを描く。私は本書をこの3年半続いた新型コロナ騒動と重ね合わせて読んでみた。本書…
-
「知らないと恥をかく世界の大問題14 大衝突の時代−加速する分断」池上彰著/角川新書
「知らないと恥をかく世界の大問題14 大衝突の時代−加速する分断」池上彰著 最近の内外情勢をコンパクトにまとめた好著だ。特にウクライナ戦争に対する分析が優れている。池上彰氏はこの戦争の本質を米…
-
「現代日本経済史 現場記者50年の証言」田村秀男著/ワニブックス
「現代日本経済史 現場記者50年の証言」田村秀男著 著者は、私が最も尊敬する新聞記者の一人だ。この十数年、私が産経新聞を読む動機の半分は、著者の記事を読むためだった。政府や大企業に忖度して、提…
-
「ハマのドン」松原文枝著/集英社新書
「ハマのドン」松原文枝著/集英社新書 この本の副題は「横浜カジノ阻止をめぐる闘いの記録」だが、その運動の先頭に立ったのは「ハマのドン」こと藤木幸夫だった。90歳を過ぎてなお元気な、この魅力的な…
-
「戦争とプロレス プロレス深夜特急」TAJIRI著/徳間書店
「戦争とプロレス プロレス深夜特急」TAJIRI著/徳間書店 世界的プロレスラー・TAJIRIが世界各地で巡業するさまを描く。そこで出会うプロレス仲間との交流や仰天エピソードが日記形式でつづら…
-
「地銀と中小企業の運命」橋本卓典著/文春新書
「地銀と中小企業の運命」橋本卓典著 日本経済が抱える構造的問題に切り込んだ優れた作品だ。 日本経済を下支えしている中小企業は、中長期的には後継者難という危機にさらされている。 <…
-
「女子大生、オナホを売る。」神山理子(リコピン)著/実業之日本社
「女子大生、オナホを売る。」神山理子(リコピン)著 言わずもがなかもしれないが、オナホというのは、オナニーホール、マスターベーション用の女性器の代用商品だ。 それを女子大生が開発して、…
-
「ヒロシマ・ノート」大江健三郎著/岩波新書
「ヒロシマ・ノート」大江健三郎著 広島を選挙区とする岸田文雄はこの本を読んだことがあるのだろうか。あるいは、読んでも理解することができたのか。 1945年8月6日のアメリカの広島への原…
-
「ざんねんな食べ物事典」東海林さだお著/文春文庫
「ざんねんな食べ物事典」東海林さだお著 東海林さだお氏の作品(漫画・エッセー)は、「その発想があったか」と思わせてくれるものが多い。時にこのアイデアで自分が儲けられるかも! といった提案をし、…
-
「半導体戦争 世界最重要テクノロジーをめぐる国家間の攻防」クリス・ミラー著/ダイヤモンド社
「半導体戦争 世界最重要テクノロジーをめぐる国家間の攻防」クリス・ミラー著/ダイヤモンド社 半導体が経済のみならず政治や軍事においても死活的に重要になっている。本書は、技術、政治、軍事、経済な…
-
『「新しい資本主義」の真実 日米における新自由主義経済政策の歴史と転換』萩原伸次郎著/かもがわ出版
『「新しい資本主義」の真実 日米における新自由主義経済政策の歴史と転換』萩原伸次郎著 いまや世界中を席巻する新自由主義とは何か。本書は、日米関係を基軸に、その正体を解き明かすものだ。 …
-
「李の花は散っても」深沢潮著/朝日新聞出版
「李の花は散っても」深沢潮著/朝日新聞出版 日本は朝鮮にとてつもなくひどいことをしたのだから日本人は朝鮮人に奉仕するのが当然なのだと統一教会(文鮮明)は教えて、日本人信者から多額のカネをまきあ…
-
「ワクチンの境界 権力と倫理の力学」國部克彦著/アメージング出版
「ワクチンの境界 権力と倫理の力学」國部克彦著 本書はワクチン接種の是非を主題としているわけではない。あくまでも倫理学・哲学的思考から新型コロナウイルスをめぐる人々の行動に関連し、「権力」と「…
-
「百冊で耕す 〈自由に、なる〉ための読書術」近藤康太郎著/CCCメディアハウス
近藤康太郎氏(朝日新聞編集委員・天草支局長)による優れた読書指南書だ。多読、乱読よりも優れた本を100冊、ていねいに読むことで教養が身につくという考えに評者も賛成する。 読書は基本的に1人で…
-
「キャラは自分で作る どんな時代になっても生きるチカラを」泉谷しげる著/幻冬舎
「キャラは自分で作る どんな時代になっても生きるチカラを」泉谷しげる著 いまから50年前、私が中学生の時に日本を空前のフォークブームが襲った。男子生徒はみながギターを弾き、歌った。ところがいま…
-
「狙われた羊」中村敦夫著/講談社文庫
「狙われた羊」中村敦夫著 小林よしのりと有田芳生の「統一協会問題の闇」(扶桑社新書)も「小川さゆり 宗教2世」(小学館)も、自民党と一体となったカルト集団を理解するためには大事な新刊である。し…
-
「ルポ 大学崩壊」田中圭太郎著/ちくま新書
いやはや、ここまで読んでいて不快な気持ちになり、「おなかいっぱい」という気持ちになる本は珍しい。いや、これは著者に対して言っているのではない。著者が長い時間をかけて取材した日本の大学の腐敗状況が絶望…
-
「昭和史の人間学」半藤一利著/文春新書
傑出した編集者・作家であった半藤一利氏のさまざまな論考から人物評に関する箇所を抜粋して再編したユニークな作品だ。半藤氏の人物評は白黒がはっきりついてわかりやすい。 肯定的に評価されている一人…
-
「女フリーランス・バツイチ・子なし 42歳からのシングル移住」藤原綾著/集英社
雑誌連載の取材をさせて欲しいと連絡があったのは2年前だったと思う。著者はフリーランスの編集者兼ライターで、バツイチ・子なしの42歳の女性だ。 インタビューを受けた時点で、著者はまだ移住先を迷…