週末オススメ本ミシュラン
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「太平洋食堂」柳広司著/小学館文庫
国家、あるいは政府に批判的な言論を封殺しようとする風潮はますます強まっている。 いまから110余年前、この国では「天皇暗殺」の謀議をしたというウソをでっちあげられて12人の人間が絞首刑にされ…
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『「おふくろの味」幻想 誰が郷愁の味をつくったのか』湯澤規子著/光文社新書
このタイトルを見た時、「これだ!」と思った。2020年、私は「意識の低い自炊のすすめ」という新書を上梓した。「はじめに」では、「おふくろの味」とは一体何なのだ? なぜ、男は「あなたにとっておふくろの…
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「言語ゲームの練習問題」橋爪大三郎著/講談社現代新書
社会学者の橋爪大三郎氏(大学院大学至善館教授、東京工業大学名誉教授)は、難解な学問を一般の人々にわかりやすく、かつ正確に解説する特別の能力をもっている。本書では、大学レベルの哲学、言語学、数学の訓練…
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「障害者支援員もやもや日記」松本孝夫著/三五館シンシャ
三五館シンシャという出版社は、さまざまな職業に就く人が、自分の仕事の実態を赤裸々に語る「日記」シリーズを出している。本書はその最新作だ。著者は、障害者支援員を8年間続ける78歳、現役の障害者支援員だ…
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「国商」森功著/講談社
「最後のフィクサー葛西敬之」が副題のこの本を読むと、ボンボン的ひ弱さを持った安倍晋三の強固な突っかい棒がJR東海「総帥」の葛西だったんだなということがよくわかる。 ゴリゴリの右派で中国嫌いの葛…
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「失踪願望。 コロナふらふら格闘編」椎名誠著/集英社
あの椎名誠氏が78歳になった。1979年に発売された「さらば国分寺書店のオババ」以来同氏の著書は読んできたが、本書を読むと椎名氏と「死」への覚悟や適切な向き合い方を読み取ることができる。 構…
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「中学生から大人まで楽しめる 算数・数学間違い探し」芳沢光雄著/講談社+α新書
評者は教育関連の本もいくつか書いている関係のせいか、大学生やビジネスパーソンから「これから統計や確率が重要になるということですが、文系なのでとても不安です。数学を中学レベルからやり直したいのですが、…
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「日航123便墜落事件 JAL裁判」青山透子著/河出書房新社
日本航空123便が御巣鷹の尾根に墜落してから37年が経つ。世間の関心が薄れていくなかでも、事件は終わっていない。123便の遺族が、日本航空に対してボイスレコーダーの開示を求める裁判を起こしている。本…
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「東電役員に13兆円の支払いを命ず!」河合弘之/海渡雄一/木村結 編著/旬報社
電力会社が料金値上げを言っていることに対して、私は「盗っ人猛々しい」という強い言葉をあえて投げかけたい。 東京電力をはじめ、電力会社は役所の悪いところと会社の悪いところを併せ持っていると常々…
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「スターリンの正体 ヒトラーより残虐な男」舛添要一著/小学館新書
「粛清」「処刑」「銃殺」──この3つの言葉がここまで頻繁に登場する本は読んだことがない。とにかく全編を通じて血なまぐさい話が続くのだ。著者は「ヒトラーの正体」「ムッソリーニの正体」という本を過去に書い…
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「絶望に寄り添う聖書の言葉」小友聡著/ちくま新書
今から20年前、2002年の年末を評者は東京拘置所の独房で過ごしていた。この年の5月、鈴木宗男事件に連座して東京地検特捜部によって逮捕され、勾留されていたからだ。冷暖房のない独房での生活は厳しかった…
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「日本のシン富裕層 なぜ彼らは一代で巨万の富を築けたのか」大森健史著/朝日新書
なるほど、こんな手があったのかと、思わず膝を打った。 最近、若い人を中心に一発当てて、大金持ちになる人が増えているなと肌では感じていた。しかし、そうした人を対象とした調査はないし、大量のイン…
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「最後の無頼派作家 梶山季之」大下英治著/さくら舎
「人物の心理だけを追っているような小説じゃ、駄目なんだ。その時代とか、社会を浮き彫りにしないといけない。読者に読んでいただく意味がない。それこそ大衆小説だ。自分ひとりでわかっているようなわからない小説…
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「キン肉マン第80巻」ゆでたまご著/集英社
書評対象としては微妙だが、今回紹介するのは、もしかしてその存在を知らなかった人々も案外多いのでは、と感じたからだ。私は今年9月に知った。「キン肉マン」は1987年、「王位争奪編」で主人公・キン肉スグ…
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「知らないと恥をかくアメリカの大問題」池上彰著/KADOKAWA
本書を読むとアメリカの国力が衰え始めていることがよくわかる。バイデン大統領は、民主主義VS独裁という二項対立で世界を理解しようとしている。そしてアメリカが独裁と見なす中国、イラン、ロシアなどを力で封…
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「本当の定年後 『小さな仕事』が日本社会を救う」坂本貴志著/講談社現代新書
社会保障や労働の専門家である著者が、統計データや豊富なインタビュー調査に基づいて、定年後の「仕事と暮らしのリアル」を描いたのが、本書だ。 かつて日本の社会保障制度は、定年後は年金を受給して悠…
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「自民党の統一教会汚染」鈴木エイト著/小学館
統一教会の闇は深い。それに著者は文字通りの突撃取材をしてきた。 「追跡3000日」である。巻末に「関係があった現職国会議員168人」の一覧が載っているが、私は本文中で著者が言及している菅義偉の…
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「地形と地理でわかる 戦国武将と名勝負・名城の謎」渡邊大門編著/宝島社
関ケ原の戦い、羽柴秀吉と明智光秀の山崎の合戦、川中島の合戦など、戦国時代の戦には「地名」が大きな意味合いを持つ。本書はそれらの舞台がいかに選ばれたかということを歴史的考証とともに記す。 歴史…
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「『豊かな暮らし』を取り戻す最後の処方箋 日本経済は再生できるか」田村秀男著/ワニ・プラス
評者は田村秀男氏(産経新聞特別記者・編集委員兼論説委員)の経済分析を信頼している。本書でも日本と世界が直面する経済問題を鋭く分析し、実現可能な処方箋を提示している。 岸田文雄首相は、6月7日…
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「コロナショック・ドクトリン」松尾匡著/論創社
ショック・ドクトリンというのは、2011年に出版されたジャーナリストのナオミ・クラインが著した書のタイトルだ。ショック・ドクトリンとは、惨事便乗型資本主義のことで、戦争や自然災害など、経済や社会を揺…