「死刑台の舞踏」森村誠一著
■主人公の刑事は元いじめ被害者
深夜、持田は新宿中央公園で女性を襲った暴漢からナイフを奪い刺してしまう。死体を植え込みの中に隠し、その場から逃げだした2人は、数日後、暴漢の遺体が川崎の竹林で見つかったとニュースで知り驚く。一方、S県静浦署の刑事・志水は、所轄署からの照会で竹林で見つかった遺体が中学時代の同級生の勝又だと気づく。志水は、中学時代、議員の息子の浜口とその子分だった勝又と射場から壮絶ないじめを受け、その恨みが今でも心にくすぶっていた。公休日、上京して事件の発端となった公園に足を運んだ志水は雑踏の中で射場に似た男を見かける。
元いじめの被害者が事件の真相に迫る長編ミステリー。
(祥伝社 600円)