「作家の珈琲」コロナ・ブックス編集部著

公開日: 更新日:

 作家と彼らが愛したコーヒーとの関係にスポットライトを当てたビジュアルブック。

 冒頭に登場するのは「鬼平犯科帳」シリーズなどで絶大な人気を博し、食通としても知られる池波正太郎。江戸の食文化に通じていた氏は、意外にも食後に必ず飲むほどのコーヒー好き。当時は珍しかった「水出しコーヒー」を味わった定宿の山の上ホテルのコーヒーパーラーや、ホテル近くの「古瀬戸珈琲店」、そして京都の「イノダコーヒ」など、その他作家の行きつけの45店や、作家本人の筆によるコーヒーにまつわる文章、そして生前のエピソードなどを写真と共に紹介していく。

 92歳で天寿を全うした安岡章太郎は長女の治子さんの寄稿によると、年を取るにつれて1日に100本近く吸っていたというたばこをはじめ、嗜好品はどれもやめてしまったのに、コーヒーだけは「寝る前に飲むと、ゆっくり休める」と言って最晩年まで楽しみ、家の中にいつもコーヒーの香りが漂うほどだったという。

 イラストレーターの安西水丸は、コーヒーの味や飲み方だけでなく、カップにもこだわった。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    西武フロントの致命的欠陥…功労者の引き留めベタ、補強すら空振り連発の悲惨

    西武フロントの致命的欠陥…功労者の引き留めベタ、補強すら空振り連発の悲惨

  2. 2
    西武の単独最下位は誰のせい? 若手野手の惨状に「松井監督は二軍で誰を育てた?」の痛烈批判

    西武の単独最下位は誰のせい? 若手野手の惨状に「松井監督は二軍で誰を育てた?」の痛烈批判

  3. 3
    巨人・小林誠司の先制決勝適時打を生んだ「死に物狂い」なLINE自撮り動画

    巨人・小林誠司の先制決勝適時打を生んだ「死に物狂い」なLINE自撮り動画

  4. 4
    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

  5. 5
    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

  1. 6
    日本ハムは過去2年より期待できそう 新外国人レイエスが見せつけた恐るべきパワー

    日本ハムは過去2年より期待できそう 新外国人レイエスが見せつけた恐るべきパワー

  2. 7
    大谷はアスリートだった両親の元、「ずいぶんしっかりした顔つき」で産まれてきた

    大谷はアスリートだった両親の元、「ずいぶんしっかりした顔つき」で産まれてきた

  3. 8
    【中日編】立浪監督が「秘密兵器」に挙げた意外な名前

    【中日編】立浪監督が「秘密兵器」に挙げた意外な名前

  4. 9
    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

  5. 10
    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗