うらぶれホステス熱演 池脇千鶴「頂点には到達できない」
映画「そこのみにて光輝く」(呉美保監督)で池脇千鶴(32)が演じたヒロイン千夏は、うらぶれたバーのホステス。ボロ家で前科者の弟、寝たきりの父親らと暮らし、カネで男と寝ている。濡れ場もあり、汚れ役でもあるが、池脇はこう言う。
「台本を読んで、生き生きとした物語に心を揺さぶられたんです。濡れ場は初めてではありませんし、作品において必要でしたから、重きを置いたということはありません」
どこか人生を諦めたようなキャラクターについては――。
「すべての女性に共通する、胸の奥がチクリとする状況なんだと思います。どん底から這い上がろうとせず、一歩踏み出せずにいる。自分を欠陥品のように見せるガードの仕方、ちょっぴりの不幸自慢、高く見せて落ちるより、低く見せている方が楽と考えてしまうような…。役をいただいてから、心と頭をフル回転して、イメージしていきました。<千夏ならどうするだろう>と思ううちに、私の中に何かが生まれていった気がします」
■話題作が次々公開
映画「舟を編む」に「凶悪」「神様のカルテ2」と話題作への出演が続き、演技派と呼ばれている。