田畑は5度目 なぜ冬季競技の女性アスリートは息が長い?
5度目の五輪出場となった田畑真紀(39)が16日のスピードスケート女子1500メートルに登場し、25位に終わった。この後は、10年バンクーバーで銀を獲得した女子団体パシュート(21日)でメダル獲得を目指す。
田畑は94年のリレハンメルが五輪初出場。実は98年の長野でも代表に選ばれていた(骨折で辞退)。五輪は実質6度目で、実に20年以上も第一線で活躍していることになる。
田畑に限らず、冬季五輪はベテランの女子の代表選手が目立つ。今回4位だったモーグルの上村愛子(34)も5度目だし、長野で銅を獲得したスピードスケートの岡崎朋美(42)、長野で金、ソルトレークシティーで銅だったモーグルの里谷多英(37)も5大会連続で出場している。
ウインター競技の女子選手は、なぜ長年にわたって第一線で活躍できるのか。旧ユーゴスラビアの元ナショナルスキーチームコーチで、88年カルガリー五輪に帯同した平山昌弘氏(運動生理学)が言う。
「冬季五輪種目は、多くがスキー板を装着したり、シューズを履いて氷や雪の上を滑る。不安定な状態の中でバランスを取り、体重移動によってスピードを加減したり、方向を変えます。重要なのはバランス感覚で、これは筋力だけではどうにもなりません。筋力が動力になる陸上や水泳とはこの点が大きく違うのです」