マーク金井
著者のコラム一覧
マーク金井クラブアナリスト、クラブ設計家

1958年、大阪府出身。ハンデ3。ゴルフ雑誌の編集記者からフリーに転身。05年にアナライズを設立し、自社スタジオでゴルフクラブの計測、試打を専門的に始める。同時にメーカーが作れなかった、アマチュアを救うクラブを設計し販売も手がける。執筆活動も積極に行い、新聞、雑誌、インターネットで連載を多数抱え、著作物も定期的に発刊。近著では、「今より30ヤード飛ぶクラブを選ぶための36の法則」(実業之日本社)、「一生役立つゴルフゴルフ超上達法」(マイナビ出版)がある。現在、新刊書も数冊手がけている。

アイアンはパーオン率よりもピンまでの距離を数値化するSGAに注目

公開日: 更新日:

 先週の「アールズエバーラスティングKBCオーガスタゴルフトーナメント」は、地元福岡出身の藤田寛之が5ホールにも及ぶプレーオフの末に、優勝を手にした。これで今季2勝目。賞金ランクも2位に浮上している。

 藤田といえば、パッティングのうまさ、ショットに定評があるプレーヤーであるが、意外にもパーオン率は上位ではない。賞金ランクは2位だが、パーオン率のランクは34位で65%である。ちなみにパーオン率のトップは藤本佳則で72%。藤田はトップの藤本より7ポイントもパーオン率が低いのである。

 では、なぜ藤田はパーオン率があまり高くないのに、しっかり賞金を稼げるのか?

 グリーンを外したアプローチがうまい、パットでスコアを稼いでいるとも考えられるが、実は、パーオン率というデータそのものが腕前の指標として成立していないのだ。パーオン率の評価の基準はボールがグリーンに乗ったかどうかだけ。グリーンに乗ったボールがピンに寄ったかどうかは関係なし。このため、パーオン率の指標では、セカンドでどれだけスコアを稼げたどうか(バーディーチャンスの回数)は見えてこない。パーオン率が高ければ、ボギーを叩くリスクは確実に減らせるが、バーディーを取れる確率が高いかどうかはまったく見えてこないのである。この連載で紹介している「ゴルフデータ革命」(プレジデント社)という書籍では、このパーオン率の盲点を指摘し、セカンドショットで評価すべきはSGA(strokes gained approach)であると解説している。SGAのスコアは野球の打率のようなもので、セカンドでスコアを稼いでいるかを数値化している。例えばパーオンしてもピンまで10メートルならば0点。ピンまで2メートル以内ならばプラス1点。対して、ピンまで20メートルならばマイナス0・5点となる。プラスならば1パットでバーディーが取れる確率がグンと上がり、マイナス0・5点以下ならば3パットする確率が上がるというわけだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    大谷騒動は「ウソつき水原一平におんぶに抱っこ」の自業自得…単なる元通訳の不祥事では済まされない

    大谷騒動は「ウソつき水原一平におんぶに抱っこ」の自業自得…単なる元通訳の不祥事では済まされない

  2. 2
    狙われた大谷の金銭感覚…「カネは両親が管理」「溜まっていく一方」だった無頓着ぶり

    狙われた大谷の金銭感覚…「カネは両親が管理」「溜まっていく一方」だった無頓着ぶり

  3. 3
    米国での評価は急転直下…「ユニコーン」から一夜にして「ピート・ローズ」になった背景

    米国での評価は急転直下…「ユニコーン」から一夜にして「ピート・ローズ」になった背景

  4. 4
    中学校勤務の女性支援員がオキニ生徒と“不適切な車内プレー”…自ら学校長に申告の仰天ア然

    中学校勤務の女性支援員がオキニ生徒と“不適切な車内プレー”…自ら学校長に申告の仰天ア然

  5. 5
    初場所は照ノ富士、3月場所は尊富士 勢い増す伊勢ケ浜部屋勢を支える「地盤」と「稽古」

    初場所は照ノ富士、3月場所は尊富士 勢い増す伊勢ケ浜部屋勢を支える「地盤」と「稽古」

  1. 6
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 7
    水原一平元通訳は稀代の「人たらし」だが…恩知らずで非情な一面も

    水原一平元通訳は稀代の「人たらし」だが…恩知らずで非情な一面も

  3. 8
    「チーム大谷」は機能不全だった…米メディア指摘「仰天すべき無能さ」がド正論すぎるワケ

    「チーム大谷」は機能不全だった…米メディア指摘「仰天すべき無能さ」がド正論すぎるワケ

  4. 9
    「ただの通訳」水原一平氏がたった3年で約7億円も借金してまでバクチできたワケ

    「ただの通訳」水原一平氏がたった3年で約7億円も借金してまでバクチできたワケ

  5. 10
    大谷翔平は“女子アナ妻”にしておけば…イチローや松坂大輔の“理にかなった結婚”

    大谷翔平は“女子アナ妻”にしておけば…イチローや松坂大輔の“理にかなった結婚”