不祥事の後始末に奔走…斉藤仁氏は全柔連の“汚れ役”だった

公開日: 更新日:

 日本のお家芸の黄金期を支えた柔道家がこの世を去った。

 20日、男子95キロ超級ロサンゼルス、ソウル五輪金メダリストの斉藤仁氏が肝内胆管がんで息を引き取った。54歳だった。

 現役時代はロス五輪無差別級金メダリストの山下泰裕(現全日本柔道連盟副会長)のライバルとして知られ、引退後は母校の国士舘大柔道部の監督を務めた。04年アテネ、08年北京五輪の代表監督を務め、男子100キロ超級の鈴木桂治、石井慧ら金メダリストを育てた。

 12年10月に全柔連強化委員長に就任し、弱体化した重量級の立て直しに着手したものの、再建は図れなかった。強化委員長の肩書でありながら、斉藤氏が奔走したのは13年に発覚した柔道界の一連の不祥事の後始末だった。

■不正受給の助成金をほぼ全額回収

 女子代表監督によるパワハラ指導が問題になった際には各方面に事情説明や謝罪に出向き、世間からの批判の矢面に立った。全柔連理事による日本スポーツ振興センター(JSC)からの助成金不正受給問題では先頭に立って事後処理にあたった。JSCから助成金の返還を求められた際、不正に受給した理事からの回収係を務めたのが斉藤氏だった。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    西武フロントの致命的欠陥…功労者の引き留めベタ、補強すら空振り連発の悲惨

    西武フロントの致命的欠陥…功労者の引き留めベタ、補強すら空振り連発の悲惨

  2. 2
    西武の単独最下位は誰のせい? 若手野手の惨状に「松井監督は二軍で誰を育てた?」の痛烈批判

    西武の単独最下位は誰のせい? 若手野手の惨状に「松井監督は二軍で誰を育てた?」の痛烈批判

  3. 3
    巨人・小林誠司の先制決勝適時打を生んだ「死に物狂い」なLINE自撮り動画

    巨人・小林誠司の先制決勝適時打を生んだ「死に物狂い」なLINE自撮り動画

  4. 4
    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

  5. 5
    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

  1. 6
    日本ハムは過去2年より期待できそう 新外国人レイエスが見せつけた恐るべきパワー

    日本ハムは過去2年より期待できそう 新外国人レイエスが見せつけた恐るべきパワー

  2. 7
    大谷はアスリートだった両親の元、「ずいぶんしっかりした顔つき」で産まれてきた

    大谷はアスリートだった両親の元、「ずいぶんしっかりした顔つき」で産まれてきた

  3. 8
    【中日編】立浪監督が「秘密兵器」に挙げた意外な名前

    【中日編】立浪監督が「秘密兵器」に挙げた意外な名前

  4. 9
    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

  5. 10
    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗