霜田正浩
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霜田正浩日本サッカー協会技術委員長

1967年2月10日生まれ。東京都豊島区出身。豊島高卒業後、ブラジルにサッカー留学。現地で活躍していた三浦カズ(現横浜FC)と交流を深めた。88年に帰国してフジタ(現湘南)、京都紫光ク(現京都)でプレー。94年から徳島、京都、FC東京、千葉などでコーチを歴任。10年から日本サッカー協会技術委員。14年9月に技術委員長に就任した。

霜田正浩技術委員長が今語る「ハリル日本」誕生の舞台裏(2)

公開日: 更新日:

■ハリルホジッチの何を評価したのか?

――ハリルホジッチ監督が、これまでに日本代表の監督候補になったことはありましたか?

「ハリルホジッチ監督の名前は、もちろん知っていましたが(監督候補は)今回が初めてです」

――ハリルホジッチ監督は、何番目の候補者だったのでしょうか?

「欧州に出向き、4番目にハリルホジッチ監督に会いましたが、それは単にスケジュールの都合です。いろいろな情報を持って帰国し、技術委員会で話し合って優先順位をつけ、再び欧州に渡って1番目のハリルホジッチ氏と基本合意に達しました。なので(優先順位が)2人目以降の人とは会っていません」

――評価としては、やはりブラジルW杯でアルジェリアを躍進させたことが大きかったのですか。

「コートジボワールを率いて10年南アW杯のアフリカ予選を突破した指導者であることは承知していましたが、本大会前に解任されました。いずれにせよ、異なる2カ国でW杯の出場権を獲得したという実績は、本当に素晴らしいと思います。ハリルホジッチ監督は『一度でもアフリカで監督をやれば、どの国の監督をやるのも大丈夫』と話していました。中東サウジアラビアで監督を務めたこともあるし、経験値の高い指導者です」

――W杯で指揮を執った経験の有無は、後任監督選びにどう影響しましたか。

「ザッケローニ元監督からアギーレ前監督に代わる時、基本線として《W杯経験者がベター》と考えていました。今回の後任選びでも、重要なファクターではありました」

――就任会見でブラジルW杯やアジア杯での日本は「自信を失っているのでは」とハリルホジッチ監督は話していました。

「メンタリティーの部分で『まだまだ世界と戦えるところにはない。コンプレックスを持っているような気がする』と話しています。世界と戦うために日本の弱点や足りない部分を(ブラジルW杯の)テレビ画面を見ながら、ハリルホジッチ監督は分かっていました」

――今回の監督選びで一番苦労したのは、どんな点だったのでしょうか。

「多くの後任監督候補者の名前がメディアで報道されましたが、記者の方から『誰と会ったのですか?』と聞かれても個人的にウソはつきたくないし、後々に『ウソをついていましたね』と言われたくもない。でも、一人ずつ名前を挙げて『どうなのですか?』と聞かれると結局、ウソをつかなければならなくなってしまう。なので契約が成立するまでは、誰とも話さないことにしました」

――精神的に大変な苦労だったと思います。

「とても困難な作業でした。女房にもどこに行くのか、どこに行って何をしたのか、一切言えませんでした。子供にも、です。自宅前に張り込んでいる記者が何人もいたので、彼らが子供に直接、聞くかも知れないと思ったからです。ザッケローニ、アギーレ両氏の時もそうでしたが、欧州には旅行代理店などは使わないで、自分自身で飛行機やホテルを手配し、一人で欧州を移動しながら監督選びを進めました」

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