横綱昇進後4度目の休場…存在感なき日馬富士は引退危機
もう限界かもしれない。
10日、横綱日馬富士(31)が13日に初日を迎える9月場所を休場することが決まった。7月場所初日に痛めた右ヒジが回復せず、現在もまっすぐに伸ばせない状態。ケガには厳しい師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)が、「ここで無理をすると右ヒジが動かなくなる」というのだから、やむを得ない判断だったのだろう。
ただでさえケガの多い横綱だが、この右ヒジには半年間も悩まされている。3月場所中に痛め、5月場所後に骨棘除去手術。ところが7月場所初日に右ヒジを強打し、2日目から休場。夏巡業もほとんど土俵に上がらず、調整に努めていた。これで横綱昇進後、休場は4度目。優勝も2回しかしておらず、横綱としての存在感は薄れる一方だ。
だからといって、誰が困るわけではない。ここ最近日馬富士が目立ったことといえば、5月場所で白鵬を下して後輩の照ノ富士優勝の援護射撃をしたくらい。優勝からも2年間遠ざかっており、主な「役割」といえば、本場所後半に他のモンゴル力士をアシストすること。日馬富士がいなくなったところで「本場所を見に行くのはやめよう」なんてファンはいないし、モンゴル勢だって「ハルマフジがいなけりゃ困る」というほどでもない。
185センチ、136キロという幕内力士にしては細身ながら、横綱まで上り詰めたのは本人の努力あってこそ。しかし、無理をしたツケは今後も日馬富士を襲うだろう。
晩節を汚すくらいならば、いっそ潔く身を引いた方がいい。引退したところで、責める者はいない。