明徳義塾戦で6連打 嘉手納の“集中打”は甲子園だからこそ
「今までの自分たちなら大量点を奪われたところで諦めていた。追い上げる姿を見せられ、チームとしても成長できた」
16日、明徳義塾(高知)に敗れた嘉手納(沖縄)の主将・大石が目を腫らしながらこう言った。
初戦は春季関東大会を制した前橋育英(群馬)相手に、七回、5連打を含む打者12人の猛攻で8得点。この日も八回に6連打で4得点と見せ場をつくった。アルプススタンドは、泡盛片手に口笛を吹くなど大盛り上がりだった。
大蔵監督に連打の秘訣を聞くと、「ゲームでは狙い球とボールの高低を中心に指示を出す程度にとどめ、細かいことは言わず、シンプルにやることを決めた上で送り出している」と、こう語る。
「沖縄の子は成長は早い一方、集中力が途切れやすい傾向がある。練習後に片付けをしていても、すぐに違うことをやり出すから、目が離せません。しかも、厳しく接し過ぎると逃げ出してしまいますしね。ふてくされて家に引きこもる子や、オートバイを乗り回す子がいたり(苦笑い)。沖縄だと家に逃げられますが、甲子園ではそうはいかない。それがかえって良かったのかもしれません」
横浜(神奈川)で長年部長を務めた小倉清一郎氏が、臨時コーチとして練習や戦術面でサポート。3回戦敗退も、甲子園にクッキリと足跡を残した。