「ブレないスポーツ報道」の著者 新聞TVの自主規制に疑問

公開日: 更新日:

 ――新聞記者時代、プロ野球の取材からスタートしたそうですね。

「我々の時代のプロ野球担当はサツ回り(警察担当)と同じでした。そこで取材の基本をたたき込まれ、一人前になってから他のスポーツを担当しました。気骨のある先輩記者の背中を追いながら、朝駆け、夜回りを重ねました。空振り三振の連続でしたが、スポーツ紙に限らず一般紙も、的確な分析や批判的な記事が多く、いつか自分も、と駆け回りました。最近は“不都合な真実”を暴こうとする記者が少なくなり、大相撲、競馬などはユルい報道ばかり。テレビもスポンサーと視聴率を気にして本質に迫ろうとしていません」

 ――プロ野球は批判記事を書くとすぐに「出禁」(取材禁止)にする球団があって、チームを褒める記事しか認めないと言っているようなものです。

「記者側にも責任があります。選手や球団幹部とメールやLINEなどでつながり、自分は特別と、カン違いしている者がいます。本に書きましたが、取材対象との距離感をどうとるかが重要で、最も難しい。その点について自らに問いかけ、悩んでいる記者がどれくらいいますかね。40年以上記者稼業を続けていますが、いまだに答えを見つけられません」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    西武フロントの致命的欠陥…功労者の引き留めベタ、補強すら空振り連発の悲惨

    西武フロントの致命的欠陥…功労者の引き留めベタ、補強すら空振り連発の悲惨

  2. 2
    西武の単独最下位は誰のせい? 若手野手の惨状に「松井監督は二軍で誰を育てた?」の痛烈批判

    西武の単独最下位は誰のせい? 若手野手の惨状に「松井監督は二軍で誰を育てた?」の痛烈批判

  3. 3
    巨人・小林誠司の先制決勝適時打を生んだ「死に物狂い」なLINE自撮り動画

    巨人・小林誠司の先制決勝適時打を生んだ「死に物狂い」なLINE自撮り動画

  4. 4
    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

  5. 5
    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

  1. 6
    日本ハムは過去2年より期待できそう 新外国人レイエスが見せつけた恐るべきパワー

    日本ハムは過去2年より期待できそう 新外国人レイエスが見せつけた恐るべきパワー

  2. 7
    大谷はアスリートだった両親の元、「ずいぶんしっかりした顔つき」で産み落とされた

    大谷はアスリートだった両親の元、「ずいぶんしっかりした顔つき」で産み落とされた

  3. 8
    【中日編】立浪監督が「秘密兵器」に挙げた意外な名前

    【中日編】立浪監督が「秘密兵器」に挙げた意外な名前

  4. 9
    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

  5. 10
    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗