武田薫
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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

大坂なおみを泣かせたヤジ「ユー・リアリー・サック!」の“正体”

公開日: 更新日:

 テニスと言えば「クワイエット・プリーズ(静粛に)」という主審の言葉を思い出す人は多いだろう。野球の打席でも集中力は大事だが、球場でそんなアナウンスはない。テニスはインパクトがすべて、そこを理解して欲しいわけだ。

 大坂なおみが、米国カリフォルニア州インディアンウェルズのマスターズ大会「BNPパリバ」の2回戦でヤジられ、0-6、4-6で敗退した。涙をボロボロ流し、主審にマイクを貸せと頼み……後味の悪い試合になってしまった。

「ナオミ、ユー・リアリー・サック!」

 サック(suck)は「最低」「むかつく」のような不敬表現で、若者の間では耳にするスラングで、男子選手は試合中によく口にする。観客がラリー中に早とちりで声を発することはよくあり、ジョコビッチは「興奮して思わず声を出すのは仕方がない」と言う。今回はタイミングの問題だろう。

 試合開始2分すぎの相手サーブの場面。試合がもっと進んでいれば、アドレナリンで聞き流しただろうし、本人もそんなコメントをしている。開始直後の発声には明らかに試合とは別の意図があり、それを敏感に感知するデリケートな選手もいるのだ。私が思い浮かべたのは、賭け(ベッティング)だ。

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