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牧田詠子特集

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回帰 -警視庁強行犯係・樋口顕-

連載小説 加羅夢と牧田詠子の証言には食い違いがある

「俺には、加羅夢が嘘をついているとは、どうしても思えないんですが……」 「やつは、したたかなテロリストかもしれないんだ」 「シラを切ればいいものを、図書館で牧田詠子に会っていると、あっさり認めたんですよ。それは、なぜでしょう」 塩崎も樋口同様に考え込んで言った。 「そりゃあ、捜査を攪乱するつもりなんじゃないか。事実、俺は少しばかり混乱している」 「俺もです」 「こ…

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回帰 -警視庁強行犯係・樋口顕-

連載小説 牧田はテログループに潜入しているスパイなのか

日本初の宗教的過激派のテロが疑われる中、行方をくらましている牧田詠子を追っていた。そんな中、樋口は元刑事の因幡と接触。彼から貴重な情報を得るが──。 ◇ ◇ ◇ 樋口の言葉に、因幡は薄笑いを浮かべて言った。 「俺は、嘘は言っていない」 「牧田詠子は国際戦線のメンバーではないはずだ」 「俺は、彼女がメンバーだとは一言も言っていない。関係があると言っただけだ」 「どんな…

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回帰 -警視庁強行犯係・樋口顕-

連載小説 重要参考人として牧田詠子の行方を追え

牧田詠子が自ら姿を消した可能性が高いということだ。それを、浅井と戸倉に連絡しなくては……」 樋口は言った。 「戸倉には、私から電話します」 天童はうなずいて携帯電話を手にした。特殊班の浅井にかけるのだ。 戸倉は、呼び出し音三回で出た。 「はい、戸倉」 「樋口だ。牧田詠子は、誰かに連れ去られたのではなく、自ら姿をくらましたのかもしれない。彼女の証言が、どうも怪しい…

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回帰 -警視庁強行犯係・樋口顕-

連載小説 大学構内で牧田詠子の身柄を確保した

牧田詠子の身柄を確保。繰り返します。牧田詠子の身柄を確保しました」 指揮本部内に、捜査員たちの「ほう」っという溜め息が洩れた。 天童が言う。 「ごくろうだった」 「身柄を、麹町署に運びます」 「そうしてくれ」 電話を切ると、天童が樋口に言った。 「結局、ヒグっちゃんの言うとおりだったな。牧田詠子は大学内に潜んでいた」 梅田管理官が言う。 「本当だ。たいした読みだな。…

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回帰 -警視庁強行犯係・樋口顕-

連載小説 第二の目撃者は「防犯カメラの人物とは別人」と証言

◇ ◇ ◇ 目撃者の名前は、牧田詠子。年齢は三十五歳だ。現場近くの大学出身で、半年ほど前から大学図書館で働いているということだ。 司書かと問うと、嘱託だが、そのようなものだという曖昧なこたえが返ってきた。 大学図書館における司書は、あくまでも便宜的な呼び方で、図書館法に基づく正式な司書とは違う。だからそういう返事だったのだろうと、樋口は理解した。 戸倉が牧田詠子に…

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回帰 -警視庁強行犯係・樋口顕-

連載小説 牧田詠子を発見。いつでも身柄を確保できる

牧田詠子、確保か?」 「いえ、確保はまだです。所在確認です。大学構内の、部活の部屋が入っている棟、通称クラブハウス内で所在を確認しました。爆発物等を所持していないか観察しています」 管理官二人がすぐさま課長の側に駆けていった。 樋口と塩崎もそれを追った。 梅田管理官が連絡係に向かって言った。 「そんなもん、観察したってわかるもんか。すぐに確保だ」 天童が言う。 …

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回帰 -警視庁強行犯係・樋口顕-

連載小説 牧田詠子の役割はテロの後方支援なのか

牧田詠子の身柄を取って、取り調べをすれば、加羅夢がシロかクロかもわかるだろう」 梅田管理官が天童に尋ねた。 「その後、何か進展は?」 「ない。公安に、牧田詠子の情報はないのか?」 梅田管理官はかぶりを振った。 「ないね」 塩崎が言った。 「牧田詠子がシロということは……?」 樋口は言った。 「いや、加羅夢の証言と牧田詠子の証言を比べると、彼女のは信憑性に欠ける。…

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回帰 -警視庁強行犯係・樋口顕-

連載小説 何らかの組織が牧田詠子を略取・誘拐した可能性

すでに九時半近いですが、牧田詠子は出勤していないそうです」 天童は即座に命じた。 「戸倉班に、聞き込みに回るように伝えてくれ。略取・誘拐も視野に入れなければならない。大学のほうの聞き込みには、所轄の応援も仰ぐんだ」 「了解」 塩崎はこたえて再び携帯電話を手にした。 樋口は天童に尋ねた。 「加羅夢はどうします? 牧田詠子に首実検をしてもらうために、身柄を拘束しているの…

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回帰 -警視庁強行犯係・樋口顕-

連載小説 まさか、皇居がテロのターゲットなのか

日本初の宗教的過激派のテロが疑われる中、行方をくらましている牧田詠子を追っていた。そんな中、樋口は元刑事の因幡と接触。彼から貴重な情報を得るが──。 ◇ ◇ ◇ 樋口の問いに因幡はこたえた。 「牧田詠子にこう言うんだ。しゃべっていい、と」 「しゃべっていい?」 「そう言えばわかる。彼女は、テロ計画についてシファーズから何か聞いているはずだ」 しゃべっていいだと……。…

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回帰 -警視庁強行犯係・樋口顕-

連載小説紛争地帯で生き延びるには敵と味方を見極めよ

日本初の宗教的過激派のテロが疑われる中、行方をくらましている牧田詠子を追っていた。そんな中、樋口は元刑事の因幡と接触。彼から貴重な情報を得るが──。 ◇ ◇ ◇ 「いや」 樋口は言った。「今はもう信じられない。俺は拉致されたも同然だ。人質にされたと考えることもできる」 因幡が薄笑いを浮かべた。 「人質だって? 人聞きが悪いな」 「あんたがテロの首謀者だとしたら、すべ…

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回帰 -警視庁強行犯係・樋口顕-

連載小説 シファーズに行動を起こさせたのはなぜか

日本初の宗教的過激派のテロが疑われる中、行方をくらましている牧田詠子を追っていた。そんな中、樋口は元刑事の因幡と接触。彼から貴重な情報を得るが──。 ◇ ◇ ◇ 樋口は因幡に尋ねた。 「ヒズボラもテロ組織なんじゃないのか」 「レバノン内戦でできた組織だ。イスラエルに対して激しい敵意を燃やしているところは、実にイスラム的だと言える。レバノンに、イラン型のイスラム共和国…

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連載小説 牧田詠子が国際戦線との関わりを認めた

「はい、樋口」 「牧田詠子が保護を条件に『聖戦のための国際戦線』と関わりがあることを認めた。イランの組織の名前が利いた」 「テロの計画については……?」 「それはまだしゃべっていない。その後、因幡からの情報は?」 「まだ彼が運転する車に乗っています」 樋口はそう言いながら、あらためて今の状況を考えてみた。尾行を振り切り、因幡が運転する車に同乗している。 これでは拉…

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回帰 -警視庁強行犯係・樋口顕-

連載小説 牧田詠子は大学構内に潜んでいるのではないか

その代わり、牧田詠子は見つけ次第引っぱる。それでいいな?」 公安部長がうなずいた。 「それでいい」 刑事部長は田端課長に尋ねた。 「牧田詠子の行方はまだわからないのか?」 「不明です。かなり人員を割いているのですが……。SITまで投入しているんです」 「すでに国外に逃亡しているということはないのか?」 「それについては、現場の者から報告してもらったほうがいいでしょう…

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回帰 -警視庁強行犯係・樋口顕-

連載小説 図書館の受付で本を渡してくれた女性が牧田詠子

牧田詠子の人相と一致すると思ったのだ。 塩崎も同じことを思ったようだ。彼はうなずくと取調室を出て行った。牧田詠子の顔写真を取りに行ったのだろう。 戸倉班と特殊班が牧田詠子の行方を探している。すでに顔写真は入手しているはずだ。 樋口は質問を続けた。 「掲示板で連絡をくれたのは、その女性ではないのですか?」 「それはわかりませんよ。言ったでしょう? 相手はハンドルネーム…

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回帰 -警視庁強行犯係・樋口顕-

連載小説 樋口はじっと加羅夢の観察を続けていた

牧田詠子の行方を追ったほうがいいんじゃないんですか?」 「そっちは、戸倉班と浅井の特殊班に任せよう。所轄もいる」 「わかりました」 再び取調室に行くと、加羅夢が不安気に樋口と塩崎を見た。 厳しく追及するなら、悪役をやっている塩崎のほうが適任だろう。樋口はそう思って、尋問を塩崎に任せることにした。 加羅夢は何か訊きたそうな顔をしていた。いつまで拘束されるのか、それ…

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回帰 -警視庁強行犯係・樋口顕-

連載小説 牧田詠子の狙いは捜査の攪乱だったのか

だから彼の身柄を拘束して、取り調べをやっているんだ」 「それが牧田詠子の狙いだったとしたら、それはなぜでしょう」 「なぜ……?」 「なぜ、加羅夢に疑いがかかるようにする必要があったのでしょう」 「捜査の攪乱が目的だろう」 「捜査の攪乱というのは、マスコミ用語ですよ。犯人、あるいは犯人の協力者には、明確な目的があったはずです」 「では、その明確な目的というのは何だ?」…

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連載小説 ネット上での情報掲示は加羅夢を誘い出すためか

掲示板で、本のありかを教えてくれた人の実名はわからないのですね?」 「わかりません」 「その人が、大学の図書館に勤めているかどうかもわからないのですね?」 「わからないと言ってるでしょう」 「あなたに本を手渡した相手は、牧田詠子という名前でした。その名前に聞き覚えは?」 加羅夢は、きょとんとした顔になった。 「マキタ・エイコ? いいえ、聞いたことありませんね」 「あ…

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回帰 -警視庁強行犯係・樋口顕-

連載小説 テロ対策は捜査ではなく戦争だ

「何が、だ?」 「誰が嘘をついているか……」 「加羅夢か、牧田詠子か、どちらかが嘘をついているかもしれないと言っていたな……」 「はい。図書館を訪ねたという加羅夢の証言の裏は取れました。だとすると、牧田詠子の証言はおかしいということになります」 天童は梅田の顔を見た。 梅田は眉をひそめた。 「たしかに……」 天童が言う。「牧田詠子は、爆発の現場近くで外国人の姿を見…

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回帰 -警視庁強行犯係・樋口顕-

連載小説 牧田の身柄解放で公安は因幡と取引か

日本初の宗教的過激派のテロが疑われる中、行方をくらましている牧田詠子を追っていた。そんな中、樋口は元刑事の因幡と接触。彼から貴重な情報を得るが──。 ◇ ◇ ◇ 佐藤が運転席に、柳瀬が助手席に座った。樋口は後部座席に乗り込んだ。 車が走り出すと、樋口はひどく気分が滅入っているのを自覚した。天童の指示を守らず、シファーズに接触したのはやはり間違いだったのではないかと思…

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回帰 -警視庁強行犯係・樋口顕-

連載小説 諜報戦の世界では敵の敵が味方とは限らない

日本初の宗教的過激派のテロが疑われる中、行方をくらましている牧田詠子を追っていた。そんな中、樋口は元刑事の因幡と接触。彼から貴重な情報を得るが──。 ◇ ◇ ◇ 因幡は言葉を選ぶように間を置いてから続けた。 「我々がイラン情報省のエージェントだと知ったら、公安は身柄を拘束しようとするだろう。日本の公安とアメリカのCIAは協力関係にあるからな」 「だが、あんたは『聖戦…

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