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吉行淳之介特集

名著から“男の飲み方”を学ぶ 文人がつづった「大人の酒場学」


(新潮文庫 490円+税) ■「酒場のたしなみ」吉行淳之介著 文壇きってのダンディー・吉行淳之介が酒飲みの極意を軽妙洒脱な筆致で説く。 旧制高校の頃から酒場に足を踏み入れ始めた吉行氏は、あるとき6時ごろにクラブに入ってしまった。6時といえばまだ女の子が化粧や支度をしている時間。「初心者には無理な芸当。気を付けるべし」と説く。またクラブでの作法として、「ホステスの前に置かれたカクテルには、決して口…

誰もが抱える「死」という人生の〆切


夏目漱石、川端康成、吉行淳之介、星新一、村上春樹、長谷川町子、岡崎京子……。この本には、明治から現在にいたる90人の名だたる書き手が、それぞれの「〆切との格闘」を描いたエッセーや手紙、マンガなどが収められています。 〆切は、作家や漫画家にとって、もっとも身近で切実な問題。どれもリアリティーと真剣味と躍動感にあふれた名文(名作)ばかりです。島崎藤村は、パリから編集部に宛てたはがきに「甚だ面目なき…

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【特別再録】野坂昭如ノーリターン


吉行淳之介さんなどは、最初から好意的だったけど、それなりの風当りも強かったように思う。いわゆる良風美俗に対する反抗者として世にはばかるというのが、彼のスタイルだったからである。 それに共感する同業者や編集者、そしてジャーナリストたちが彼を中心にして集っていた。いわゆる「酔狂連」や、その他のグループである。 またラグビーのチームを作ったり、田植えをやったりと、担当編集者たちも結構大変だったようだ。…

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連載9949回 『玄冬の門』をくぐれば


『野坂昭如の本』『吉行淳之介の本』などというのも同じ形式で出ていて、それぞれどこかにアウトサイダー感があっておもしろかった。 『青春の門』の作者が、ついに『玄冬の門』を書くのか、と読者のため息がきこえそうだが、その辺はあまり関係がない。『青春の門』はまだ未完だし、なんとか生きているあいだに、決着をつけなければ、という気持ちもあるのだ。 若い時には、60歳、70歳というのは、もう大変な老人だと思…

ともに麻雀卓を囲んだ藤子不二雄Aさん

悩ましいことばかりですが“たゆたう精神”が大事


自分をいじめ抜いて作品を生み出す作業を繰り返すなかで、当時、選考委員のひとりだった吉行淳之介の短編「蛸の話」に感銘を受けたという。 「小説を書く人間には2つの型があって、自分はもっぱら自分の身を食う型。蛸のように手足8本を食べ尽くしたら、新たに生えてくるのを待つのみといった描写があるのですが、太宰治がそうであったように、私小説は自分を食い尽くすつらいところがある。今回の執筆はそういった私小説と…

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連載9917回 レンズの垢にまみれて


昔、吉行淳之介さんと対談をしたとき、吉行さんはカメラマンに念を押して言った。 「撮影は最初の5分ぐらいにしてくれないか」 話をしている最中に、動き回って構図を狙われているのは、たしかに落着かないものである。どんな人間でも、時にはいやしい目付きをするし、下品な表情にもなる。むっとする時も、うんざりする時もある。そんな人間の弱味をすかさず捕えて、それでその人間の内面に迫ったと思うのは間違いだと思う…

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連載9827回 野坂昭如ノーリターン


吉行淳之介さんなどは、最初から好意的だったけど、それなりの風当りも強かったように思う。いわゆる良風美俗に対する反抗者として世にはばかるというのが、彼のスタイルだったからである。 それに共感する同業者や編集者、そしてジャーナリストたちが彼を中心にして集っていた。いわゆる「酔狂連」や、その他のグループである。 またラグビーのチームを作ったり、田植えをやったりと、担当編集者たちも結構大変だったようだ。…

「わかれ」瀬戸内寂聴著


続く「約束」は亡き吉行淳之介の思い出がつづられ、武田泰淳(「紹興」)や重信房子(「面会」)なども登場する。長い人生の中で出会った、家族、恋人、友人たちを闊達自在にフィクションとノンフィクションのあわいに溶かし込んでいく。全9編、いずれも艶々しさに満ちているのはさすが。 (新潮社 1400円+税)…

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老後を考える本特集


作家の幸田文や吉行淳之介、馴染みの飲み屋やバーで出会う人生の先輩たちが丁寧に描かれる。彼ら彼女らの不可解な言動を、衰え、弱さ、危うさとだけ捉える浅はかさに気づかされる。あやしさは、年を重ねた特権的ユーモアなのではないか。そう思って観察していくと、違った風景が見えてくる。大阪新世界ジャンジャン横丁の道中で、しゃがみこみ、向き合って耳掃除をする3人の老人の目的は? 冷たく扱われた老婆が置いていった…

外濠公園遊歩道から総武線を望む

ここはリゾート地?


フランスの風刺画家ビゴー、泉鏡花、内田百閒、吉行淳之介らが住んでいたそうで、ひどく静か。ソニー・ミュージックエンタテインメントのビルを左手に、四ツ谷方向へ。 さて、ここからが今日のメーン。階段を十数段上ると、市ケ谷駅から数分の場所とは思えぬほど、緑がいっぱいの歩道に出る。 草の絡まる太い木が何本も真っすぐ、線路側に伸びている。森の中なら天空に向かって垂直に伸びるのだろうが、光を求めてか、一斉に斜…

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