日刊ゲンダイDIGITAL

  • facebook  
  • twitter  
  • google+

高倉健特集

(C)AP

高倉健インタビュー秘録

拷問シーンで本当に痛がっている顔は必見

それを実写にして、まして高倉健が主演するなんて……。それでいいのか」 そう思って見たのだが……。これが意外に面白かったのである。 奇妙な映画ではある。しかし、一見の価値はある。なんといっても、この映画はイランでオールロケを行っている。イランの首都テヘラン、第2の都市イスファハン、そして砂漠地帯。日本は一切出てこない。そのうえ、出演者は高倉健以外、すべてイラン人である…

(C)AP

高倉健インタビュー秘録

面白い映画ではなくいかに高倉健のいい絵を撮るか

【網走番外地(1965年・東映)】 この連載は高倉健が出演した映画をあらためて見直して書いている。そのうちに共通点に気がついた。たとえば、彼が出ている映画では初期の作品のいくつかを除いて、ストーリー重視ではない。 巨匠・内田吐夢が監督した「宮本武蔵」シリーズ、「飢餓海峡」では、見ているうちに物語の中に入り込み、次の展開が気になる。だが、初期の青春ドラマ、任侠シリーズ…

/(C)AP

高倉健インタビュー秘録

高倉健に少しも臆していない菅原文太の芝居

【大脱獄(1975年・東映)】 高倉健、菅原文太が共演したアクション映画である。両者が共演した映画は11本とされている。ただし、東映に移籍してきたばかりの菅原文太がほんのちょっとしか出ていない映画もあり、それを共演と呼べるかどうか。単に「ふたりが出ている」映画と共演は違う。 「大脱獄」は「仁義なき戦い」でスターになった菅原文太が高倉健と対等な立場で共演している映画で…

(C)AP

高倉健インタビュー秘録

主役を“食った”三木のり平演じる「屋台の客」

【あ・うん (1989年・東宝)】 珍しい高倉健が見られる映画だ。珍しさとは髪の毛の長さである。彼の場合、どんな映画に出ても、髪の毛は角刈りよりやや長めといった程度だった。だが、「あ・うん」での役どころは愛人に子どもを産ませてしまう遊び慣れた男の役である。そのため、髪の毛を伸ばし、七三に分け、ポマードまでつけた。 髪の毛を長くしただけで硬派な雰囲気の高倉健が遊び好き…

(C)AP

高倉健インタビュー秘録

「勝新太郎と同じくらい、寝起きが悪いと言われた」

【無宿 やどなし (1974年・東宝)】 勝新太郎、高倉健が共演した映画である。 全編、映像が美しい。日本の海、山の美しさを追いかけて撮っている映画だ。勝新太郎が高倉健との映画を熱望し、やっと実現しただけに、勝新は高倉健に恋焦がれているふうに見える。一方、高倉健は勝新の気合を受け止めるのではなく、サラリと受け流している。そして、間にいる梶芽衣子はふたりの間をゆらゆら…

(C)AP

高倉健インタビュー秘録

映画に出るか出ないかは「ホン」のひと言で決めた

そのうちのひとつ、三軒茶屋にある「兆治」をのぞいてみると、店内の壁には高倉健が出た映画のポスターが貼ってあり、棚にはDVDがそろっている。そして、スキンヘッドの主人は映画の主人公のように寡黙に仕事をしている。また、本作を監督した降旗康男監督によると、高倉健と一緒に中国へ行った時、「北京に日本料理店『兆治』がある。一緒に行かないか」と映画関係者から誘われたことがあった…

/(C)AP

高倉健インタビュー秘録

筋肉質の太もも見せるため着物にも工夫

同じ年、高倉健は9本の映画に出演している。「宮本武蔵 一乗寺の決斗」「ジャコ万と鉄」「飢餓海峡」といった、いまもファンの多い作品もあるが、なかでも重要なのが本作「日本侠客伝」だ。 この作品は好評だったため、シリーズ化され、71年までに11本が製作されている。 この作品は「健さんがアイドルから名優に脱皮した」(降旗康男監督)映画だ。 ストーリーは単純そのものである。高…

(C)AP

高倉健インタビュー秘録

降旗監督が「もう一度」といった最初で最後のシーンがある

【あなたへ (2012年・東宝)】 「あなたへ」は結果的に高倉健の遺作となった映画である。妻(田中裕子)に先立たれた刑務所の指導技官(高倉健)が遺骨を携え、自分の車で富山から平戸までを旅するロードムービーだ。印象的なのは亡くなった妻の故郷、平戸の薄香湾に散骨するシーンである。高倉健の映画には、こうした一幅の絵のような忘れられないシーンが必ずある。 「あなたへ」は出て…

熱烈歓迎(左はチャン・イーモウ監督)/(C)AP

高倉健インタビュー秘録

高倉健は中国で愛され尊敬される日本人だった

東映を退社し、フリーになった高倉健の出演第1作だ。無実の罪を着せられた検事が国内を逃亡しながら事件の真実に迫るというもの。北海道で熊と渡り合ったり、なぜかセスナ機を操縦して本州に戻ったりとリアリズムを追求する観客が見たら、「なんだこれは」と思うが、ノンストップアクションの娯楽作として楽しめる。共演している中野良子は美しい。しかも、独特の雰囲気を感じさせる。 この映画…

/(C)AP

高倉健インタビュー秘録

見どころは「ドス」を「銃」に持ちかえたガンアクション

主人公(もちろん高倉健)はメキシコ・オリンピックの射撃競技選手に選ばれた警察官。上司を連続射殺犯に殺され、選手を引退してからも、警察官として犯人を追い続けている。妻(いしだあゆみ)や子どもと別れ、射撃と警察官の任務に励む。だが、いつしか仕事に疑問を抱くようになり、警察官を辞めようとするのだが……。 ストーリーの展開よりも、高倉健が銃を使ったアクションに挑む様子がい…

(C)AP

高倉健インタビュー秘録

政治家よりも経済人よりも日中友好に寄与した

この映画は高倉健が出演したなかではあまり評価されていない。公開時は反日デモがあったため、日本国内で中国映画を敬遠する雰囲気があった。そのため、この映画はヒットしたとはいえない。 しかし、わたしはこの作品は高倉健がやりたくてたまらなかったものであり、それだけに彼の気が入った作品だと思っている。 チャン監督は高倉健の出演を熱望した。それは事実だ。だが、高倉健もまたチャ…

/(C)AP

高倉健インタビュー秘録

迫真の演技だったビートたけしの“シャブ中”

【夜叉(1985年・東宝)】 高倉健扮する主人公はかつて大阪のミナミで「人斬り夜叉」と呼ばれたやくざ。堅気になって、若狭湾に面した小さな港町で漁師として働いていた。そこへミナミから水商売の女、蛍子(田中裕子)が流れてきて、居酒屋を開く。しばらくは平和なままだったのだが、女のヒモ(ビートたけし)が現れ、漁師たちに覚醒剤を売るようになってから港町にさざ波が立つ。最後は蛍…

(C)AP

高倉健インタビュー秘録

態度がデカい記者、気を乱す部外者に厳しい視線

高倉健が演じたのはローカル線の駅長。「健さん」といえば背中に唐獅子牡丹を背負った侠客のイメージが強いが、本人は「市井の人の役に引かれる」と言ったことがあった。彼は本作と、焼きトン屋の主人を演じた「居酒屋兆治」(1983年・東宝)を気に入っていたのだろう。 この映画のロケは北海道、根室本線の幾寅駅で行われた。氷点下15度近い戸外で連日、撮影があり、雪も降っていた。それ…

(C)AP

高倉健インタビュー秘録

「あの頃は一生懸命だった。ただ懸命に芝居をしていた」

高倉健扮する若い刑事はその3人を見つめながら演技をする。 原作、映画ともに傑作である。そして、伴淳三郎、三国連太郎、左幸子の順に、演技が光る。この3人の映画といってもいい。なかでも伴淳三郎にとってはそれまでのコメディアンから正統派俳優に脱皮した記念碑的作品だった。 この年、高倉健は34歳。「網走番外地」シリーズ、「日本侠客伝」シリーズ、「昭和残侠伝」第1作など10本…

(C)AP

高倉健インタビュー秘録

聞きどころは健さんが腹からしゃべる英語力

【ブラック・レイン (1989年・パラマウント)】 高倉健はアメリカ映画にもいくつか出演している。「燃える戦場」(1970年、ロバート・アルドリッチ監督)、「ザ・ヤクザ」(1974年、シドニー・ポラック監督)、「ミスター・ベースボール」(1992年、フレッド・スケピシ監督)。なかでも知られるのがマイケル・ダグラス主演の「ブラック・レイン」だ。ただ、この映画で強烈な印…

山田洋次監督と武田鉄矢/(C)日刊ゲンダイ

高倉健インタビュー秘録

絶食して撮った冒頭のラーメン、カツ丼シーンの迫力

【幸せの黄色いハンカチ (1977年・松竹)】 寅さん映画のシリーズを監督した山田洋次が高倉健に出演してもらうために作った映画が「幸福の黄色いハンカチ」。山田監督のキャスティングで、渥美清も出演している。 原作はアメリカの作家ピート・ハミルのコラムから取ったもの。蛇足ではあるが、ピート・ハミルには友人だったフランク・シナトラを描いた「ザ・ヴォイス」という傑作ノンフィ…

(C)AP

高倉健インタビュー秘録

宇崎竜童が語る「高倉健からもらったもの」

高倉健ひとりの演技だけがずばぬけていても、作品全体の評価にはつながらない。主演の俳優は共演者たちの動きがひとつになるようにリーダーシップを発揮しなくてはならない。そこをわかっている高倉健は俳優陣を引っ張り、共演者の実力を引き出している。 共演したうちのひとり、宇崎竜童によれば高倉健は常に全員の士気が上がるよう、心を砕いていたという。 「あの方はちゃんと共演者の演技を…

(C)AP

高倉健インタビュー秘録

組合も納得させた「唐獅子牡丹」の美しさ

「あの頃は1年に15本の映画に出た」と、高倉健本人が語っていたが、2週間程度で撮影を終えると、次の作品が待っているといった状態だった。 このふたつのシリーズはいずれも「任侠の健さん」を観賞する映画であり、役どころもストーリーも似ている。 業界の腐敗、ライバルの横暴、謀略などに我慢に我慢を重ねた主人公が最後には爆発して、立ち回りになる。いずれもそんな展開だが、ただ、…

/(C)AP

高倉健インタビュー秘録

戦後初の韓国ロケ作品

【ホタル(2001年・東映)】 高倉健の役は特攻隊の生き残り。不治の病に侵された妻(田中裕子)と韓国へ旅に出る。 戦時中、主人公の上官は朝鮮の生まれだった。主人公は形見を持って韓国を訪ね、遺族に会う。いわゆる特攻隊を賛美する映画ではない。特攻隊の中に当時、日本領だった朝鮮出身者がいた事実を伝える映画だ。 撮影中、高倉健は「意義のある映画なんだ」と語っていた。 「今度…

小説「高倉健 孤高の生涯」と写真集「映画俳優・高倉健~その素顔」/(C)日刊ゲンダイ

俳優・高倉健のすべてが分かる!? 長編小説と写真集発売

たとえば、高倉健さんはマイクを離さないほどのカラオケ好きで、水前寺清子の「三百六十五歩のマーチ」が十八番だった――。 先月10日、83歳でこの世を去った日本映画界の名優の知られざる一面をつづった新刊本が発売前から話題だ。 30年間、計100枚以上の秘蔵フォトを収めた写真集「映画俳優・高倉健~その素顔」(遠藤努撮影/2400円)、上下巻で全1200ページ以上にわたる長…

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のニュース記事