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柳田国男特集

「幕末の女医、松岡小鶴」門玲子編著


日本の民俗学の父・柳田国男、画家・松岡映丘の祖母、松岡小鶴は、江戸時代にまだ珍しかった女医だった。養子の夫を父に離縁され、父の死後、医業を継いだ。女性には珍しく多くの漢詩を残しているが、ナメクジと対話する作品もある。 「うねうね腹這って生涯を終えるまでに、一尺も動くだろうか」とからかうと、ナメクジは「洪鑢我に賦う些かの形と気 人神機と喚も我焉んぞ知らんや(万物を造り出す天の大きな溶鉱炉が、私にこ…

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連載9997回 沖浦和光さんの思い出


この海人について最初の論文を書いたのは、柳田国男だった。その鋭い感覚はさすがだ。 因島の箱崎港で、かつての「屋船」の暮しをしていた人に会って、沖浦さんとともに話をきいた。「陸上がり」をして、海と離れる人びとが次第に増えていくのは当然かもしれない。 かつて芸予諸島のあたりの漁民の身分階層は、大きくは4つに分かれていたという。 (1) 役家として水夫役を担い、漁業権を所有している(水夫浦)の漁民。 …

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連載9996回 沖浦和光さんの思い出


柳田国男のいう「常民」の枠からはみだした人びとである。マージナル・マンを「非常民」と訳してもまちがいではないだろう。 山のマージナル・マンについては、私はつとに注目し、少なからぬ文章も書いてきた。 しかし、海のマージナル・マンについては、想定外だった。たまたま沖浦さんと語り合うなかで、マージナル・ラインが海辺へ広がっていることを知ったのである。 沖浦さんには『瀬戸内の民俗誌──海民史の深層をたず…

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男の口説きは打率より打席数に価値があるが…


日本では、柳田国男が「ハレ(晴れ)とケ(褻)」と言ったように、日常と非日常を区切り、歌垣や盆踊りなどハレの日には、普段制御しコントロールしている欲望を解き放つことを許した。それによって不倫や乱交が行われ、暗がりで青姦がなされました。 ディスコや飲み会がそれらの系譜になるのでしょうが、昨今はそれらも、私が女を口説いていた暗いバーも激減、街で学生コンパや酔っぱらいのサラリーマンを見かけることもめった…

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風俗以上・不倫未満の“婚外セックス”を求めて…


これは、柳田国男が見いだした日本人の伝統的な世界観「ハレ(晴れ)とケ(褻)」の図式で説明できます。 非日常の「ハレの日」を設けることによって、日常の制度を保全させる。最近はほとんど聞きませんが、サラリーマン社会の「無礼講」も、ハレのひとつといえます。現在のSNSには非日常への接続機能はあるものの、日常への再接続機能がない。共同体として集団内のルールが行き届き、非日常空間へと誘う土着の信仰や風習、…

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「山伏ノート」坂本大三郎著


民俗学者の折口信夫や柳田国男らの書を参考に、日本の自然民俗を見つめ直す。 朴訥(ぼくとつ)な文体と素朴な絵だが、中身は骨太。震災以降の不安な現状を後ろ向きに憂うのではなく、自然と共生する知恵を授けてくれる。 (技術評論社 1580円)…

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「海女の島 舳倉島」フォスコ・マライーニ著、牧野文子訳


柳田国男の記した海女文化が形成されている村の文献を基に、行き着いたのが日本海・能登の舳倉島。観光見せ物としての海女ではなく、海とともに生きる人々の文化を見事にあぶり出した。 海女たちの快活さと力強さ、美しさとしたたかさは文章と写真からもにじみ出ている。 (未來社 1800円)…

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