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谷崎潤一郎特集

ザッツエンターテインメント

文豪の意外な素顔に触れる本

(国書刊行会 2200円+税) 三島由紀夫と谷崎潤一郎、ノーベル文学賞候補にもなった2人の巨星をサディズムとマゾヒズムの視点から論じた文学評論。 三島は「残酷な暴力を愛好するサディズムの作家」のように見えるが、必ずしもそうではなく、その本領は、加虐と被虐、SとMの要素が複雑に絡んでいるところであるという。一方のマゾヒズムの作家といわれる谷崎のマゾヒズムは、生来のもの…

BOOKレビュー

「肉筆で読む作家の手紙」青木正美著

昭和17年4月、71歳だった藤村が谷崎潤一郎とも交遊があった大谷嘉助という人物に宛てた手紙で、「老躯に鞭うち」最後の長編に取り掛かっている近況と、切迫した時局への憂いが書かれている。 その他、小林多喜二に請われて彼の作品への批評をしたためた志賀直哉の手紙、のちに「日本百名山」で名を残す深田久弥が軍隊時代に改造社の編集者に送った、まるで目の前にいる人物に話しかけてい…

人生ナナメ読み文学講義

絶対正しいと思う時ほど“都合のいいもの”しか見ていない

昨年は谷崎潤一郎だけでなく、江戸川乱歩の没後50年でもあった。純文学の大谷崎に対して、大乱歩と呼ばれたように、まさに探偵小説(推理小説)界の文豪だ。推理小説といっても、ただの謎解きゲームに終わらず、人間研究にもなっているのが乱歩作品の魅力。中でも「D坂の殺人事件」は、かの名探偵・明智小五郎が初めて登場し、乱歩にプロの作家として歩むことを決意させた自信作のひとつだ。 …

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流されゆく日々

連載10054回 戦前 戦中の短い記憶

谷崎潤一郎の『源氏物語』現代語訳などもこっそり読んだ。こっそりというのは、なんとなく禁じられた本のような気配があったからである。母親の蔵書には林芙美子の作品が何冊かあり、『紅襟の燕』などという本が記憶に残っている。ひょっとすると題名に思い違いがあるかもしれないが。 父親の本棚には本居宣長とか、賀茂真淵とか、平田篤胤とか、その手の本が並んでいたが、私には苦手だった。…

佐野和宏さん

愉快な“病人”たち

映画監督・俳優の佐野和宏さん 下咽頭がんから復帰まで3年

スタインベックの「二十日鼠と人間」、谷崎潤一郎の「少年」、オリジナル作品、まだまだ映像化したいものがたくさんある。これからどんどん吐き出していきたいと思います。(聞き手・岩渕景子) ▽さの・かずひろ 1956年、静岡県生まれ。明治大学在学中に松井良彦や石井聰互らと出会い俳優デビュー。石井聰亙監督の「狂い咲きサンダーロード」等出演。89年「監禁 ワイセツな前戯」でピン…

作家でありながら現役バスガイドも続ける花房観音さん

プロの本棚

作家・花房観音さん 20代後半に出会った団鬼六作品との縁

「作家になってから谷崎潤一郎や夏目漱石、三島由紀夫など近現代文学をよく読むようになりました。それらや、源氏、平家、今昔、宇治拾遺の古典には文学の基礎がありますからね。先般、名作を本歌取りした官能短編集『花びらめくり』(新潮文庫)を出版しました。タイトルを見てもらうと分かりますが、『卍』から『卍の女』を、『それから』から『それからのこと』を『仮面の告白』から『仮面の…

人生ナナメ読み文学講義

自分しか知らない“相手の魅力”を思い出せば縁はつながる

昨年は文豪・谷崎潤一郎の没後50年、そして今年は生誕130年だ。2年続けてのメモリアルイヤーに、30年ぶりの新全集が昨年から順次刊行されている。 文豪といっても、谷崎の作品には漱石のような深刻さはなく、どうかするとサド・マゾまがいのエロ小説と勘違いされていたりもするのだが、それでいて実は人生の深みに達してしまうのが谷崎流。その特徴がよく表れているのが「痴人の愛」だ。…

石井光太氏(左)と二木啓孝氏

二木啓孝の一服一話

ゲスト石井光太さん嗅覚を武器に風景の描写で作品を組み立てていきます

初めは映像だったのですが、中学生の時に谷崎潤一郎の「春琴抄」を読んで、目をつぶすシーンのリアリティーに、文章の世界の魅力を感じました。その後、辺見庸、沢木耕太郎、開高健といった作家の作品を読み、その物語性、作家性が現実と相まったときの相乗効果に圧倒されました。ノンフィクションで文学をやっていいんだ。現実を舞台に文学をやるという形であれば、自分が一番やりたいことができ…

石坂浩二

映画の巨匠・市川崑の時代

映画「細雪」 吉永小百合の小悪魔的魅力を引き出した演出力

割と潔いんだって笑い合いました」 ――その後、「金田一シリーズ最終話「病院坂の首縊りの家」(79年)を経て、谷崎潤一郎原作の「細雪」(83年)へ。こちらは出演を快諾されたそうですね。 「ぼくは次女の夫の、表面はごく普通なんだけど、三女への秘めた思いを抱えている男で。何より女性たちが美しく、これはぜひやりたいとお願いしました。すると、まずテープが送られてきまして。谷崎…

海老坂武氏

著者インタビュー

「自由に老いる」海老坂武氏

「日本でも谷崎潤一郎や森鷗外の墓を見にいきます。ぼくは今、自分の墓はどんなのを造ろうか楽しみなんです。あの人はお墓に来てくれるだろうか、涙をこぼすだろうかと想像すると、面白いでしょ」 老いの独り旅、案外いいかも、と思える本である。(さくら舎 1400円+税) ▽えびさかたけし 1934年、東京生まれ。フランス文学者。東京大学文学部仏文科卒業、同大学院博士課程修了。…

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「あの家に暮らす四人の女」三浦しをん著

谷崎潤一郎の「細雪」をベースに、その現代版として書かれた長編小説。(中央公論新社 1500円+税)…

今や2児の母の本上まなみ

執筆依頼続々 本上まなみが獲得した「最強文化系ママ」の称号

ま、そもそも、中学時代から谷崎潤一郎を愛読する、文化系アイドルの草分け的な存在だ。 02年に当時「マガジンハウス」の編集者だった18歳年上のバツイチ男性との結婚以降は女優業をセーブしつつも、読書家、エッセイスト、ママの肩書に加え、京都に移住してからは家庭菜園を行うエコ生活や京都ツウとしても仕事をこなすマルチぶり。おまけに、「ご多忙なのでなかなか難しいが、小社でぜひ小…

「賢者の愛」山田詠美著

山田詠美の最新長編は、谷崎潤一郎の「痴人の愛」の向こうを張った愛憎劇。百合が産んだ男の子は真由子の助言で直巳(ナオミ)と名づけられる。「このナオミは、痴人のものではなく、賢者のものになる」。真由子は直巳を理想の男に育て上げるべく、幼いうちから丹念に水をやり続ける。年の離れた2人の関係は先生と教え子のようであり、共犯者のようでもあった。「痴人の愛」では、年上の男が美…

鋭い指摘/(C)日刊ゲンダイ

注目の人 直撃インタビュー

瀬戸内寂聴さん「子供たちにこの国を渡して死ねない」

代表作は「花に問え」(谷崎潤一郎賞)や「場所」(野間文芸賞)、「風景」(泉鏡花文学賞)など。「源氏物語」に関連する著作も多い。2006年文化勲章。2012年5月には経済産業省前で脱原発のハンガーストライキに参加した。…

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著者インタビュー

「らんる曳く」佐々木中氏

最近の純文学にはエロが足りない、大江健三郎くらいまではよかったけれども、最近はこれみよがしのSMとか奇をてらったものばかりで、谷崎潤一郎のようなちゃんとしたエロはどこへいったんだ! と思っている諸兄に読んでいただきたいです(笑い)」 (河出書房新社 1800円) ◇ささき・あたる 1973年、青森県生まれ。東大文学部卒、同博士課程修了。作家、哲学者・理論宗教学者、大…

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