「データ進化論」河治良幸
――執筆動機は?
「サッカーは野球と違って《データ化しづらい》スポーツです。これまで個人の印象論で語られることが多かった。サッカーの見方は“百人百色”ですが、データはひとつだけです。しかし、そのデータも数字を基準にして単純比較しただけ。そこでデータに指標を作り、実際の試合と見比べて分析しました」
――バルセロナをお手本にしてJリーグ各クラブは、ボール支配率を高めようとしています。しかし、支配率が高いから勝てるとは限らないという例も紹介されています。
「12―13年CLでベスト16に進出したセルティックは支配率38%、ドルトムント42%、ミランは49%でした。アヤックスとマンチェスターCは53%でグループステージで敗退しました。たとえばカウンターが主体のドルトムント、ビルドアップが主体のミラン、ドリブルによる持ち上がりが主体のレアルではフィニッシュの局面でどう違うか? 他データと照らし合わせると精度も高まります」
――「ゴール参加」の項目で意外な発見も。