「スキン・コレクター」ジェフリー・ディーヴァー著、池田真紀子訳

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 首から下がマヒという障害を抱えながらも天才的な頭脳で難事件を次々に解決していく「リンカーン・ライム」シリーズの最新刊、第11作。

 ニューヨークのブティックの地下室で若い女性の遺体が発見された。その腹部には、インクの代わりに毒物を使ったタトゥーの文字が施されていた。何かのメッセージと思われるその文字は連続殺人を予感させるものだった。しかも、遺体の傍らには十数年前にライムたちが解決した〈ボーン・コレクター〉事件に関連する遺留物が見つかる。案の定、すぐに同様の手口による殺人が発生し、やはりメッセージを彫られたタトゥーが刻まれていた。犯人はライムたちの捜査方法を熟知しているようで、手がかりをほとんど残さない。それでもライムは微細な証拠からこの狡猾な犯人を追い詰めていく――。

 ディーヴァーお得意の何重にもわたるドンデン返しが、今回も最後に待ち受けている。また先行の「ボーン・コレクター」「ウォッチメイカー」とも巧みに共鳴させる物語展開など、サービス精神たっぷり。(文藝春秋 2350円+税)


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