視聴率1ケタ台続出…五輪で“冬休み”民放ドラマの手抜き感
アイドル羽生が舞い、レジェンド葛西が飛ぶ。テレビ各局は連日、ソチ五輪の熱狂を伝えている。注目の競技となれば、時間帯は関係ない。深夜や明け方でも、驚異的な視聴率を記録している。
その陰で静かに息を潜めているのが、各局のドラマ担当者だ。なにしろ、こちらは、驚くほど低調な数字がズラリと並ぶ。フジテレビ系の「福家警部補の挨拶」(火曜21時)、「チーム・バチスタ4」(火曜22時)、「僕のいた時間」(水曜22時)、TBS系の「Dr.DMAT」(木曜21時)、「夜のせんせい」(金曜22時)など、視聴率1ケタが続出しているのだ。
もちろん、五輪放送に視聴者を取られているという側面もあるだろう。葛西紀明選手(41)の生きざまは、ドラマよりもドラマチックだ。それでも業界内では、「五輪を言い訳に使えるからラッキー」(制作会社関係者)という声が聞かれる。視聴率低迷は五輪と関係なく、そもそも面白いドラマがないというのだ。コラムニストの桧山珠美氏も、こう指摘する。
「1~3月期は“お休み”のクールですね。ソチがあるからなのか、本気でつくっている感じがしません。例えば、観月ありさ演じるスナックのママが定時制高校の先生になる『夜のせんせい』は使い古された設定だし、1話完結の警察モノが多いのは、五輪で見逃した視聴者を逃がさないためでしょう。これなら1回ぐらい飛ばしても、ストーリーに付いていける。来週も見たいと思わせる努力を最初から放棄しているようです。一方で、当てにいった“明日ママ”もつまずいている。寂しいありさまです」
4~6月クールは、杏主演の池井戸ドラマがあるし、小泉今日子と中井貴一の「最後から二番目の恋」の続編も用意されている。エース級は新年度に回された。
これでは駄作ばかりになるのも当然だ。