「なるようになるさ。」続編決定 “ネオ時代劇”と化す橋田ドラマ
「大人の枠」だそうだ。TBSが4月から、火曜22時にドラマ枠を新設すると発表した。第1弾は、昨年7~9月期に金曜22時枠で放送された橋田寿賀子脚本「なるようになるさ。」のシーズン2。ひとくちに“大人”と言っても、かなり上の年齢層に狙いをつけた時間帯になるようだ。
同作は、自宅を改装したカフェを舞台にして、問題を抱えた人たちが一つ屋根の下で暮らすホームドラマ。橋田にとって16年ぶりの新作と注目され、平均視聴率は13%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と健闘した。
1ケタ続出のTBSにとっては有望なコンテンツとなるのだろうが、食べ物屋を舞台に登場人物を出し入れするストーリー展開は、「渡る世間は鬼ばかり」と同じ。先生の得意とするパターンだ。しかも、主役の舘ひろしと浅野温子は、演技が不自由ときている。それが改編の目玉になるのだから、視聴者もナメられたものだ。
■ワンパターンで高齢者引きつける
コラムニストの桧山珠美氏が言う。
「TBSは水戸黄門や大岡越前をやめることで高齢の視聴者を切り捨てました。でも、カネも時間もあって、テレビも見てくれるのは、お年寄りです。視聴率とスポンサーのことを考えれば、団塊の世代から上を狙ったドラマは欠かせません。その点、スピード感も、どんでん返しもない橋田ドラマは、60歳以上の視聴者が見ても疲れない。1回ぐらい見落としたとしても、置き去りにされる心配はありません。舞台は現代ですが、パターン化されていて安心できるストーリーは水戸黄門や大岡越前といった時代劇と本質は同じ。橋田ドラマは“ネオ時代劇”。TBSは、そのことに気が付いたのではないか」
こうなると、水戸黄門や大岡越前の復活も近そうだ。