中島啓江さんは180キロ超…「巨漢は歌が上手」は本当か

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 先月23日、オペラ歌手の中島啓江さんが、呼吸不全のため57歳の若さで亡くなった。165センチの身長に対し、180キロを超える体重が心臓や肺を圧迫したという。

 一般的に太っている人はさまざまな病気になりやすい。「BMI」と呼ばれる体格指数が25以上の過体重や肥満の人は、糖尿病が5倍、高血圧は3.5倍、心臓病では2倍も発症リスクがアップする。体のあちこちに大きな負担がかかるのだ。

 一方で、「太っている人は歌がうまい」といわれる。オペラ歌手は、声が響くからという理由で太ることをすすめられるケースもあるという。07年に亡くなったイタリアのオペラ歌手、ルチアーノ・パヴァロッティは150キロ。中島さんの後輩にあたる森公美子も20年以上、体重100キロを超えていた。世界的な話題になったスーザン・ボイルやポール・ポッツも太めだし、「相撲取りは歌がうまい」なんて通説もある。

■医学的根拠なし

 本当に太っていると歌がうまいのか。

「太っていても痩せていても、人間の声帯の大きさはそれほど変わりません。また、体格が大きい方が声帯を振動させて出した音をより反響させるといいますが、脂肪や筋肉が詰まった体のどこの部分に反響するのかどうかもわからない。太めの方が歌がうまいという説には、医学的に確立された根拠はないのです」(慶友銀座クリニック・大場俊彦院長)

 声を出すには筋力や肺活量が必要だし、ガリガリに痩せていたら体力がもたないのは確かだろうが、第一線で活躍しているオペラ歌手には筋肉質で痩せている人がたくさんいる。歌のために太るというのは単なる言い訳のようだ。

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