原発、ドローン、同性愛…GWに映画で考察する“日本の今”
【映画批評家・前田有一選 GWに見るべき“新旧”映画大特集】
今年のゴールデンウイークは大型化、12連休なんて羨ましい人もいるようだ。それにあわせて話題作が集中するこの時期。改めて世の中で起きている時事・社会問題を新作映画&旧作DVDで振り返ってみてはどうだろう。
■「ブラックハット」が描き出す原発テロの恐怖
まずは高浜と川内で司法判断が真っ二つに割れた原発再稼働問題。火山学者たちの反対を無視して再稼働を進める九州電力の暴走が懸念されるが、「ブラックハット」(5月8日公開)はそんな彼らが見たら言葉を失うであろうサスペンス。
サイバーテロについて、その知られざる手口が徹底したディテールで描かれる。冒頭では、香港の原発がハッキングだけで爆破される。地震や噴火、津波だけではない。こんなやり方のテロをどう防げばいいのかとショックを受けるだろう。
NHKやテレ朝が聴取され、報ステでは官邸の圧力をほのめかす発言まで飛び出す昨今。こうした危険性を暴きたいジャーナリストも手が縮むというものだが、そんな時には「グッドナイト&グッドラック」(05年、米)。