仲間主演「美女と男子」は日本ドラマの海外進出占う“試金石”
企画段階から海外販売を視野に入れ、全20話という異例のボリュームで制作された仲間由紀恵(35)主演のドラマ「美女と男子」(NHK、今年4~8月放送)。日本ドラマの海外進出の今後を占う試金石として業界ではその動向が注目されているが、今のところNHKのもくろみ通りにコトが進んでいるようだ。
同ドラマの制作統括を担当したNHKの加賀田透エグゼクティブ・プロデューサーが22日、「東京ドラマアウォード2015」の一環で行われたシンポジウムに出席。現在、タイ、台湾、香港、ミャンマーの放送局と契約間近であることを明かした。
シンポジウムにはタイと韓国で人気ドラマを手がける監督や脚本家らも参加。「美女と男子」の評価やヒットの可能性についてこう語ったのだった。
「ネットでの書き込みを見ているといい反応のものが多い。芸能界を舞台とした、夢に向かったサクセスラブストーリーは韓国でも人気。ただ、女性が男性を育てるのではなく、男性が女性を育てる設定の方がウケるだろう」(韓国の脚本家)
「タイで世代を問わず絶大な人気を誇った日本のドラマは『おしん』。『美女――』も支持されるだろうが、視聴者は20代の若い世代に限定されそう」(タイの監督)
ドラマ界は円熟期を迎え、右にならえの猿まねでヒットするという時代は終了。韓国やタイのドラマ市場でも日本と同様の問題を抱えているという。テーマの枯渇化が進み、制作側はもがき苦しんでいる。転換期にあるアジアのドラマ市場。仲間由紀恵ドラマは新風を吹き込めるか。