萌景さんは自殺…夢とやりがい搾取する“アイドル残酷物語”
愛媛県松山市を拠点にした「愛の葉Girls」の16歳のメンバー、大本萌景さんの自殺問題が波紋を広げている。アイドルグループ「少年隊」のメンバーで、ジャニーズ取締役でもある東山紀之は自身がMCの情報番組で「うちはレッスン料とか取らなかったし学業優先でした」「彼女がなぜ死を選んだのか原因を突き止めないといけないですよね」とコメント。地方アイドルの育成や労働環境などに大きな問題があったのではないかとの見方を示した。
遺族は大本さんの所属事務所のパワハラや契約が自殺に追い詰めたとして、社長らに約9200万円の損害賠償を求める訴えを地裁に起こした。いまや全国には1000組以上の“アイドル”が存在。メジャーデビューを果たした有名グループだけではなく、ご当地アイドルから地下アイドルまで乱立時代である。
そんな中、大本さんは月に20日前後の労働を長時間拘束などで行っていた上、月額3万5000円程度の報酬しかもらっていなかったなどその劣悪ぶりは際立っている。芸能プロデューサーの野島茂朗氏はこう言う。
「ご当地アイドルは一般に、地方の有力者が娘や孫のためにつくりだすケース、地方活性化の広告塔として、商工会議所やら行政が関わっているケースと、金儲けのビジネスとして売り出されるケースがあります。1つ目は露骨な身内びいきといったことを耳にしますが、金がらみになればなるほど、問題が見え隠れする。運営しているのは芸能関係者だけじゃなく、民間の事業者だったりしますけど、いずれもブラック化しているように見えます。メンバーの育成は先行投資で、レッスン段階から損をしないよう、金になるよう効率がはかられ、そこから輩出したグループからは投資分を回収しさらに利益を搾り取ろうとする。ご当地PRなどとすることで、助成金や補助金が出るケースもあり、それを巡ってブローカーなどが噛んでいるという噂もあります」