人気書評家が“診断” 乃木坂46メンバー初小説その実力は?

公開日: 更新日:

 2018年の写真集ランキングを席巻したアイドルグループといえば「乃木坂46」だが、所属メンバーのひとりが、年の瀬に来て文芸界を賑わせている。高山一実(24)の初小説作品「トラペジウム」(KADOKAWA)がそれだ。月刊誌での連載を大幅に加筆修正して先月末に刊行し、オリコン週間BOOKランキングの文芸書ジャンルで首位を獲得(12月10日付)。多くの乃木坂ファンから支持を得たのだろうが、肝心の力量は? 文芸評論家の杉江松恋氏が読みどころと改善点を解説する。

  ◇  ◇  ◇

 現役アイドルがアイドル志望の少女を主人公にして小説を書く。

 これはかなり危険な賭けである。主人公に作者を重ね合わせて読む人間が必ずいるからだ。書きようによっては、作者自身が嫌われかねない。

 そんな危険に挑んだというだけでも、高山一実のデビュー作「トラペジウム」は評価すべきである。しかも、けっこうな荒業を使って同一視問題を回避している。

 どうやったか。主人公をとんでもなく自己中心的な人間にしたのである。きついデフォルメが施された、物語内だけにしかいないような人間に。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    小室圭さん年収4000万円でも“新しい愛の巣”は40平米…眞子さんキャリア断念で暇もて余し?

    小室圭さん年収4000万円でも“新しい愛の巣”は40平米…眞子さんキャリア断念で暇もて余し?

  2. 2
    メジャー29球団がドジャースに怒り心頭! 佐々木朗希はそれでも大谷&由伸の後を追うのか

    メジャー29球団がドジャースに怒り心頭! 佐々木朗希はそれでも大谷&由伸の後を追うのか

  3. 3
    若い世代にも人気の昭和レトロ菓子が100均に続々! 製造終了のチェルシーもまだある

    若い世代にも人気の昭和レトロ菓子が100均に続々! 製造終了のチェルシーもまだある

  4. 4
    巨人にとって“フラれた”ことはプラスでも…補強連敗で突きつけられた深刻問題

    巨人にとって“フラれた”ことはプラスでも…補強連敗で突きつけられた深刻問題

  5. 5
    長渕剛の大炎上を検証して感じたこと…言葉の選択ひとつで伝わり方も印象も変わる

    長渕剛の大炎上を検証して感じたこと…言葉の選択ひとつで伝わり方も印象も変わる

  1. 6
    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  2. 7
    「監督手形」が後押しか…巨人入り目前から急転、元サヤに収まった真相と今後

    「監督手形」が後押しか…巨人入り目前から急転、元サヤに収まった真相と今後

  3. 8
    東京15区補選は初日から大炎上! 小池・乙武陣営を「つばさの党」新人陣営が大音量演説でヤジる異常事態

    東京15区補選は初日から大炎上! 小池・乙武陣営を「つばさの党」新人陣営が大音量演説でヤジる異常事態

  4. 9
    高島彩、加藤綾子ら“めざまし組”が大躍進! フジテレビ「最強女子アナ」の条件

    高島彩、加藤綾子ら“めざまし組”が大躍進! フジテレビ「最強女子アナ」の条件

  5. 10
    「救世主にはなり得ない」というシビアな見方…ピーク過ぎて速球150キロ超には歯が立たず

    「救世主にはなり得ない」というシビアな見方…ピーク過ぎて速球150キロ超には歯が立たず