かゑるのまま真打ちに「馬風」襲名のきっかけは息子の一言

公開日: 更新日:

 キックボクシングのリングアナをやったことで、柳家かゑるの顔と名前が売れてきた。

落語家としての仕事も増えてね。談志兄貴(写真)が、『あんちゃん(落語家が後輩を呼ぶ時に使う業界用語)、世に出られるぞ。俺が引っ張るから』って、司会をやってた『笑点』に出してくれたり、キャバレーの余興の仕事をくれたり、よく面倒見てもらった。あの頃は本当にいい人だったのになあ」

 後年、馬風と談志が絶交する事件が起こるのだが、それは後述するとして、話を二つ目時代に戻そう。

 入門して16年たった1973年、かゑるの真打ち昇進が決まった。

「その当時、二つ目の数が飽和状態で、まとめて真打ちにするしかなかった。だから俺は10人一緒の昇進なんだ。昔のことなんで覚えてる人は少ないけどな」

 昇進が決まった際、小さんに呼ばれた。

「昇進を機に鈴々舎馬風を襲名しないかという話だった。俺は先代馬風が大好きで、高座で客に、『よく来たな』なんて言う馬風の口調を真似したもんだ。大変ありがたい話だけど、せっかく柳家かゑるで売れて、顔と名前を覚えてもらったとこだ。『かゑるの体操』なんていう歌をレコーディングしたこともある。今名前を変えるのはどうかという思いがあって、『考えさせてください』と師匠に言った。親父に話したら、成田山の占い師に見てもらおうと。その結果、『馬風は短命の名前だからやめとけ』と言われた」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    大谷騒動は「ウソつき水原一平におんぶに抱っこ」の自業自得…単なる元通訳の不祥事では済まされない

    大谷騒動は「ウソつき水原一平におんぶに抱っこ」の自業自得…単なる元通訳の不祥事では済まされない

  2. 2
    狙われた大谷の金銭感覚…「カネは両親が管理」「溜まっていく一方」だった無頓着ぶり

    狙われた大谷の金銭感覚…「カネは両親が管理」「溜まっていく一方」だった無頓着ぶり

  3. 3
    米国での評価は急転直下…「ユニコーン」から一夜にして「ピート・ローズ」になった背景

    米国での評価は急転直下…「ユニコーン」から一夜にして「ピート・ローズ」になった背景

  4. 4
    中学校勤務の女性支援員がオキニ生徒と“不適切な車内プレー”…自ら学校長に申告の仰天ア然

    中学校勤務の女性支援員がオキニ生徒と“不適切な車内プレー”…自ら学校長に申告の仰天ア然

  5. 5
    初場所は照ノ富士、3月場所は尊富士 勢い増す伊勢ケ浜部屋勢を支える「地盤」と「稽古」

    初場所は照ノ富士、3月場所は尊富士 勢い増す伊勢ケ浜部屋勢を支える「地盤」と「稽古」

  1. 6
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 7
    水原一平元通訳は稀代の「人たらし」だが…恩知らずで非情な一面も

    水原一平元通訳は稀代の「人たらし」だが…恩知らずで非情な一面も

  3. 8
    「チーム大谷」は機能不全だった…米メディア指摘「仰天すべき無能さ」がド正論すぎるワケ

    「チーム大谷」は機能不全だった…米メディア指摘「仰天すべき無能さ」がド正論すぎるワケ

  4. 9
    「ただの通訳」水原一平氏がたった3年で約7億円も借金してまでバクチできたワケ

    「ただの通訳」水原一平氏がたった3年で約7億円も借金してまでバクチできたワケ

  5. 10
    大谷翔平は“女子アナ妻”にしておけば…イチローや松坂大輔の“理にかなった結婚”

    大谷翔平は“女子アナ妻”にしておけば…イチローや松坂大輔の“理にかなった結婚”