ラサール石井
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ラサール石井タレント

1955年、大阪市出身。本名・石井章雄(いしい・あきお)。鹿児島ラ・サール高校から早大に進学。在学中に劇団テアトル・エコー養成所で一期下だった渡辺正行、小宮孝泰と共にコント赤信号を結成し、数多くのバラエティー番組に出演。またアニメの声優や舞台・演劇活動にも力を入れ、俳優としての出演に留まらず、脚本・演出も数多く手がけている。石井光三オフィス所属。

逆境に負けぬ演劇界 コロナ禍を逆手に取った朗読劇が出色

公開日: 更新日:

 イベントなどの入場者数がまた一段階緩和されたが、演劇はまだまだ慎重で、やはり今はまだ客席は半分。稽古から本番までかなり厳しいコロナ対策を行っての公演を続けている。それでも予定されていた公演は粛々と上演されている。役者たちもお客さまの前で演じられる幸せをじんわりと噛み締めている。かく言う私も1週間後に初日を迎える、半年ぶりの芝居の稽古の真っ最中だ。

 そんな中、観客として3本の芝居を見た。最初はケラリーノ・サンドロヴィッチことケラ氏が奥さまの緒川たまきさんと立ち上げたユニット、ケムリ研究室の「ベイジルタウンの女神」。

 すでに「キネマの天地」という名作を世に送り出した2人が、数々の映画にインスパイアされ作り上げた、古き良きコメディー映画へのオマージュに満ちたすてきなおとぎ話だ。いつものブラック味は控えめに、まさに喜劇の王道。私にはケラ版「ユーリンタウン」「メリー・ポピンズ」にも見えた。

 次は佐藤B作・銀平親子のユニット、東京№1親子の2作目「夜鷹と夜警」。これはまた凄まじくもエキセントリックな不条理喜劇。学生時代にフラッと入ったアングラ劇団を思い出させるような懐かしくもエネルギッシュな舞台であった。何よりも70歳をすぎたとは思えないB作さんのパワー、役者力。いつも見るにつけ現代演劇界の宝だと思う。

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