窪塚洋介「すべて変わっても、直感だけは変わらない」俳優30年、次元を超えてもブレない“自分軸”
1995年に俳優デビューし、今年は活動30周年を迎えた窪塚洋介さん(46歳)。現在、松田龍平さんとW主演を務める映画『次元を超える』が公開中です。
本作は、窪塚さんが孤高の修行者・山中狼介、松田さんが謎めいた暗殺者・新野風を演じ、次元を超えて対峙する異色作。本作についてのみならず、キャリアを重ねた窪塚さんにとって、活動当初から今も変わらないことを聞きました。また、子ども時代の窪塚さんの可愛らしい“コクハク”エピソードも。
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完成した作品に「次元、超えてましたね!」
――ぶっとんだ作品に仕上がってました。
何を観せられたのかという感じですよね(笑)。豊田(利晃)監督は、これの前に短編の3部作を撮っていて、俺もそのうちの2作品に出ているんですけど、次に長編を撮るというのは結構前から聞いていました。今回、(松田)龍平とW主演ということで、楽しみにしながら脚本を読みましたが、「これ、マジで着地するの?」という感じでしたね。
――途中、資金難による中断もあったそうですが、無事に完成しました。
最初の試写会のとき、本編が終わって自分が「次元、超えてましたね」と口火を切ったら、みんなも「次元、超えてたね」と言い合って。お酒があったら全員で乾杯していただろうなというくらい盛り上がりましたね。本当にすごくクレイジーでストレンジなものを作ってくれたなぁと嬉しい気持ちです。
豊田作品はパラレルワールドにいる感覚
――豊田監督が狼介は窪塚さんにしか演じられない役だとコメントされています。
豊田監督と最初に組んだのは『モンスターズクラブ』(2012)だと思いますが、監督の作品では、役と自分の境目がすごく曖昧なんです。「これ、オレ前に監督に話してたっけなぁ」と思うような言葉を、自分が演じるキャラクターが話したりする。毎回、パラレルワールドの自分のような感覚になります。
――では今回の狼介にも窪塚さん自身とリンクする部分が?
そうですね。狼介の哲学というか、生き方みたいなところにはすごくシンパシーを覚えるし、別の人生として想像することもできます。死生観や世界観も、すごく想像しやすかったです。
松田龍平さんとの撮影秘話
――松田龍平さんとのシーンでのエピソードを何か教えてください。
龍平演じる新野風と、“気”を飛ばすみたいなシーンがあって、俺がバン!と気を飛ばすと龍平がそれを避けるんです。
――ありましたね。異能力バトルのような。
あそこ、最初、龍平の避ける動作がめっちゃ遅かったんですよ。こちらがバン!と気を出したら、普通はバン、バンみたいに続けざまに避けますよね。それが、龍平は「もう3発くらい当たってるだろ」って感じのタイミングで、避けるんですよ。
――(笑)。
龍平は「僕の感覚ではこれくらいですけど」とか言ってましたけど、その辺は監督が「もうちょっと早い方が嬉しいかな」って感じにうまく伝えて、タイミングの微調整をしてました(笑)。
自分の直感を信じている
――『THE KILLER GOLDFISH』『フロントライン』に続いて本作と、今年の劇場公開作はこれで3本目。とても順調ですが、デビューから30年の節目の年ですね。
そうなんですよ、気づけばね。
――キャリアも年齢も重ねてきて、いろんなことが変化していると思いますが、あえてご自身の中で変わっていない部分を挙げるなら?
そうですね。変化を挙げるなら、すべてが変化したと言えるのですが、その中でも変わってないかなと思うのは、仕事を選ぶときに「自分の直感を信じている」というのは変わらないなと思います。
たとえば豊田監督の作品であっても、「この人だから絶対にやる」ということではない。当然、好意的に読み始めはしますけどね。ただ、その脚本が、自分にとってワクワクしないものだったらやらないという選択肢は残っているし、自分の直感を信じるといったところはキープしています。
子ども時代は「戦隊もの」に夢中だった
――ちなみに窪塚さんは、子どもの頃はどんなお子さんでした?
調子乗りだったんじゃないですかね。祭りとかがあると、前に出て行って大人たちが神輿を引いている前で踊ったりしてました。目立ちたがり屋ですよ(笑)。
――子ども時代に最初に夢中になった存在やキャラクターはどんなものでした?
戦隊ものです。『大戦隊ゴーグルファイブ』とか『太陽戦隊サンバルカン』とかに夢中になって、真似していました。
――そうなんですね。ちょうどそのくらいの年齢のときかもしれませんが、窪塚さんの初恋はどんなだったか、最後にひとことコクハクをお願いします。
そうですね。幼稚園のときです。ラブレターをもらったんです。それで意識しちゃって、好きになっちゃいました(笑)。
映画『次元を超える』
映画『次元を超える』はユーロスペースほかにて公開中
https://starsands.com/jigen/
ヘアメイク:佐藤修司(botanica make hair)
スタイリスト:三田真一(KiKi inc.)
(望月ふみ)


















