宮沢氷魚「優しいがゆえの不器用さ」に共感。不安をため込んだ時の“感情との向き合い方”

公開日: 更新日:
コクハク

 今年のNHK大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』での田沼意知役など、俳優として高い評価を得ている宮沢氷魚さん(31歳)。現在は、同じ佐藤同士で結婚したカップルの年月を見つめていく主演映画『佐藤さんと佐藤さん』が公開中です(岸井ゆきのさんとのW主演)。

 宮沢さんに、本作で演じた佐藤タモツに感じたことを聞きました。また、散歩しながら家や建物を見るのが好きだという宮沢さんの「理想の家」や、子ども時代の初恋エピソードも直撃です。

【こちらもどうぞ】 窪塚洋介「すべて変わっても、直感だけは変わらない」俳優30年、次元を超えてもブレない“自分軸”

タモツの不安や不器用さは、すごく理解できた

――なかなか司法試験に受からず、結婚後は育児をしながら試験勉強を続ける佐藤タモツを演じました。タモツの印象や、探っていくうちに発見はありましたか?

 僕自身もそうなのですが、タモツはあまり自分の感情を言語化するのが得意じゃなくて、思っていることやぶつけたいものをうまく伝えられない人。それがタモツの場合は、蓄積されてところどころで爆発して、サチ(岸井)にぶつけてしまうのだと思います。

 家族思いで、サチと、ふたりの間に生まれた子どものフクのことを一番に思っている。家族を壊したくない、負担をかけたくないと感じている、すごく優しい人なんですけどね。

――だからこそ不安定になったり。

 そうですね。全部自分でため込んでしまって、うまくいかないことがあると、自分を責めたり、不安がどんどん膨らんでいってしまう。優しいがゆえの不器用さ。そういったところは、すごく理解できましたし、普段、僕たちが日常的に生きていて経験することを凝縮した作品だと思いました。

フラストレーションがたまった時の発散法

――宮沢さん自身も言葉として出すのが苦手とのことですが、ご自身のフラストレーションがたまってきたときには、どうやって発散しているのでしょう。

 みなさんがやっていることと変わりませんよ。友達と飲みに行ったりとか、それが無理なときは近所に散歩に行ったりします。いろんな家や建物を見るのが好きなんです。この家の窓がいいなとか。

 見ながら、自分の理想の家を想像したりすると、イライラしていたこともちょっとずつ忘れたり、落ち着いていきます。家でじっとしているより、散歩したり誰かと話したりする時間を作っています。

――予算など現実面は度外視で、もし理想の家を建てられるなら、どんな家がいいですか?

 玄関があって庭があって、大きなガレージがある。コンクリートではなくて、ちょっとスペイン風というか、レンガやクレイを使ったような自然色を感じる家がいいですね。植物とか花があったり。

 僕は出身がカリフォルニアのサンフランシスコで、スペインやメキシカンの家が多かったんです。ヤシの木があったりして。なので、そういった雰囲気で、乾燥している地域の植物とかも置けたら素敵だなと想像します。

勧められたもので作るのも、いい変化になる

――散歩のときに、新しく始めたことなどはありますか?

 野菜や魚を専門店で買うようになりました。これまではスーパーに行って、すべて完結させていたのですが、野菜やフルーツは八百屋で、肉は肉屋、魚は魚屋でと、それぞれの店で食材を集めるようにしています。

――誰かからの影響ですか?

 子どものときは、地元の商店街でそうやって買っていたんです。でも実家を出て一人暮らしを始めたころから、スーパーに行くようになっていたのを、30歳もすぎてもうちょっと自分の普段の生活に豊かさをと考えたとき、子どもの頃はひとつひとつ足を運んで選んでいたなと。

 店に行って予定していたものがなくても、替わりに旬のものを勧めてもらえる。人から勧められたもので食事を作るのも、自分へのいい変化になるんじゃないかなと感じています。

初恋の女の子、初恋のキャラクターは?

――最後にみなさんの「コクハク」(告白)エピを伺っています。宮沢さんの初恋はどんなでした?

 小さなときに、生まれが1か月違いくらいの同い年の友達がいました。母親同士の仲がよくて、よく家族ぐるみで遊んでいました。たぶんその子になるんじゃないかな。最初のころは普通に遊んでいただけだったんですけど、あるとき突然、お互いに意識し始めて。

――成長してきて、突然何かの気持ちが芽生えてきたんですかね。

 ですかね。相手の家に行っても、向こうも扉の後ろに隠れちゃうし、僕も目を合わせられないし、みたいな。3~4歳くらいだったと思うんですけど。それまで仲良く遊んでいたのに、急にお互いに意識し始めて恥ずかしくなっちゃったんです。なんでだったんだろう(笑)。

――ほかにも2次元の世界に出てくる人物などで、最初に好きになったキャラクターなどは覚えていますか?

「MAJOR」というコミックに出てくる清水薫という女の子です。

――宮沢さんは、少年野球をされていたとか。

 はい。ちょうどそのころに読んでいました。主人公と同じ野球チームにいた強くてステキな女の子で、ああいう女子のチームメイトがいたらキュンキュンするだろうなと思っていました。

映画『佐藤さんと佐藤さん』概要

映画『佐藤さんと佐藤さん』は全国公開中

(C) 2025『佐藤さんと佐藤さん』製作委員会
https://www.sato-sato.com/
配給:ポニーキャニオン

(望月ふみ)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  2. 2

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  3. 3

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  5. 5

    巨人大ピンチ! 有原航平争奪戦は苦戦必至で投手補強「全敗」危機

  1. 6

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 7

    衝撃の新事実!「公文書に佐川氏のメールはない」と財務省が赤木雅子さんに説明

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    高市首相が漫画セリフ引用し《いいから黙って全部俺に投資しろ!》 金融会合での“進撃のサナエ”に海外ドン引き

  5. 10

    日本ハムはシブチン球団から完全脱却!エスコン移転でカネも勝利もフトコロに…契約更改は大盤振る舞い連発