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石橋蓮司と緑魔子 形式を嫌った2人の「未婚の母」騒動

―1972年5月―

 1971年から72年にかけて、芸能界ではちょっとした“未婚の母”ブームが起こっていた。生まれた赤ちゃんは不幸にも7時間後に亡くなったが、相手の名を決して明かさなかった加賀まりこ。籍は入っていたものの、妊娠判明後、間もなく家を飛び出し、ひとりで子どもを出産した森山良子……。だが、5月3日に女児を産んだ緑魔子(当時28)の場合は事情が少し違っていた。相手がだれかはっきりしていたし、男性は出産にも付き添った。自らの意思で入籍していなかったのだ。

 その相手とは石橋蓮司(同30)。形式的なことにはこだわりたくないというのが、2人の一致した考えだった。

「かも」という映画で共演したのが出会いのきっかけ。その後「非行少女ヨーコ」や「男なんてなにさ」などで共演し、付き合うようになった。当時、魔子は東映に所属するスター女優。一方、石橋は蜷川幸雄や蟹江敬三らと劇団を旗揚げ。財布の中はいつも空っぽで魔子の稼いでくるカネが頼りだった。

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