二田一比古
著者のコラム一覧
二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

田宮二郎さんも…芸能人の自殺はいつも突然で真相は闇の中

公開日: 更新日:

 俳優の三浦春馬さん(享年30)が自殺という衝撃的なニュースが飛び込んできた。自らの意思で命を絶つ。メディアは「なぜ、自殺に至ったのか?」と真相に迫る取材をするが、「仕事に悩んでいた」といった話はあっても、なかなか真実にたどり着けないのが自殺取材の難しさである。共通点があるとすれば、ほとんどの人が前触れもなく、突然であること。

 昔、新宿でスナックのママをしていた元歌手の女性と現役歌手の不倫を取材したことがあった。ママにも取材したが、記事になると突然、抗議の電話が来た(取材には応じたが、記事になると、「こんなはずではなかった」と抗議してくる人は少なくない。ある意味、活字の怖さと思う)。

 抗議の最後に「自殺してやる」と言って電話を切られた。初めて受けた自殺宣告に「本当にされたら……」とかなり慌てた。

 デスクに相談すると、「大丈夫。本当に自殺する人はいちいち連絡してこない。単なる脅しだと思う」と言われた。

 それでも念のために自宅マンションを見にいった。オートロック時代の今なら簡単に確認できなかっただろうが、当時のマンションは部屋の玄関まで簡単に行けた。電気メーターを見ると、かなり早く回っている。中に人がいると思われた。最初にドア下の隙間からガス漏れの臭いを調べた。ない。続いてドアの隙間から耳を澄ますと、電話で話す彼女の大きな声が聞こえてきた。時には笑い声まで聞こえてくる。デスクの言う通り、これから自殺する人とは思えなかった。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    日本球界今オフを襲うポスティング地獄…“予備軍”もゴロゴロ、空洞化ますます加速

    日本球界今オフを襲うポスティング地獄…“予備軍”もゴロゴロ、空洞化ますます加速

  2. 2
    佐々木朗希とのただならぬ関係…陰で糸引く「黒幕」は大船渡高時代の韓国遠征まで追いかけた

    佐々木朗希とのただならぬ関係…陰で糸引く「黒幕」は大船渡高時代の韓国遠征まで追いかけた

  3. 3
    ついに国民年金65歳まで納付案が…政府がヒタ隠す「年金積立金250兆円」という都合の悪い真実

    ついに国民年金65歳まで納付案が…政府がヒタ隠す「年金積立金250兆円」という都合の悪い真実

  4. 4
    キムタクを縛り続ける《公称176cm》のデータ…「Believe」番宣行脚でも視聴者の関心は共演者との身長比較

    キムタクを縛り続ける《公称176cm》のデータ…「Believe」番宣行脚でも視聴者の関心は共演者との身長比較

  5. 5
    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

  1. 6
    「白鵬の弟子」押し付け合い勃発! あちこちから聞こえる師匠譲りの不穏な評判

    「白鵬の弟子」押し付け合い勃発! あちこちから聞こえる師匠譲りの不穏な評判

  2. 7
    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 8
    キムタク主演ドラマがまさかの1ケタ…“考察”慣れしすぎて王道スポ根が楽しめない?

    キムタク主演ドラマがまさかの1ケタ…“考察”慣れしすぎて王道スポ根が楽しめない?

  4. 9
    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

  5. 10
    大谷は徹底した個人主義、思考回路も米国人…ゴジラ松井とはメンタリティーに決定的差異

    大谷は徹底した個人主義、思考回路も米国人…ゴジラ松井とはメンタリティーに決定的差異