「全部 知ってるよ」に戦慄…ハイスぺ夫がストーカー化。元ホステスの妻が怯える“もう一つの顔”

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コクハク

【不倫ドキュメント・ファイル~なぜ禁断の恋をするのか?】

 世の中、不倫の話題で持ちきりだ。2024年に実施された調査によると、既婚男性の約2人に1人、既婚女性の約3人に1人が婚外恋愛経験者だという。SNSやマッチングアプリが普及し、不倫のハードルは下がる一方。しかし、その裏にある人間の欲望と自己演出には注意が必要だ。

 ワイドショーの定番、それは芸能人の不倫騒動。謝罪会見に活動休止──愛に溺れた代償はあまりにも重い。

 世間が「不倫=絶対悪」と決めつけるなかで、それでも、人はなぜその扉を開けてしまうのか。禁じられた恋に身を投じる不倫の背景をCA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持ち、数々の人間模様を見てきた筆者が読み解いていきたい。

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27歳、10歳年上の医師の彼と出会い

 配偶者が不倫をすれば、慰謝料請求や離婚騒動に発展――それが一般的な展開だろう。まれに「子どものために」と離婚を選ばず、穏便に済ませるケースもある。

 だが今回の話は、そのどちらでもない。思わず眉をひそめる「異様な不倫劇」だ。

「夫の哲司さん(37歳・耳鼻咽喉科医)とは、私が働いていた銀座のクラブで知り合いました」

 そう語るのは、専業主婦の真由香さん(27歳・子どもなし)。

「当時、私は24歳。彼は医大時代の仲間との忘年会で来てくれたお客様の一人でした。たまたま隣に座って、スポーツの話で盛り上がったんです。

 私も彼も陸上部出身で、今もジョギングが趣味。シューズのメーカーや箱根駅伝の話で意気投合しました」

 その後、哲司さんは一人で来店するようになったという。

「初回で話が合ったせいか、その後も私を指名してくれるようになりました。辞めたホステスのお客さまだったので、晴れて私が『担当』になったんです」

疑似恋愛だったけど…徐々に縮まる距離

 哲司さんは横浜近郊の出身。母を早くに病で亡くし、父子でクリニックを支えてきた。

「『二代目のお坊ちゃん医師とは言われたくない』が口癖でした。父を越えようと、医師会の雑用まで率先してやっていたそうです。

 来店のたびに『真由香ちゃんといると元気が出る』と言って、高いお酒を入れてくれたり、勉強になるからと歌舞伎や観劇にも連れて行ってくれたり、ありがたかったですね。

 でも、当時はお客様の一人でしかなかった。10歳も年上ですし、ルックスもタイプじゃありませんでした(笑)」

 週に2〜3度通ってくるうちに、少しずつ距離は近づいていった。

「最初は疑似恋愛のつもりでした。でも、いつも優しくて誠実な彼に、特別な思いを抱くようになっていったんです」

黒服との交際に疲れ

 だがその頃、真由香さんには交際相手がいた。同じ店の黒服・智也さん(当時24歳)だ。

「ホステスと黒服の交際はNGですが、人間関係に疲れて、つい相談してしまって…。哲司さんが太客になった時も、智也は『いいお客さんに気に入ってもらえてよかったね』と喜んでくれました。

 でも、黒服って常に美女に囲まれてるでしょう? 案の定、彼も新人ホステスと浮気して、大げんかに。オーナーママに知られたら罰金50万円なので、表沙汰にはしませんでしたけど」

 落ち込んでいた彼女を支えたのが、他ならぬ哲司さんだった。

「真由香ちゃんが笑顔になるならと、高級シャンパンを何本も入れてくれて…。その優しさに救われました」

出会いから1年半で結婚、専業主婦に

 転機は、出会いから1年半後。

「突然、哲司さんと半月ほど連絡が途絶えたんです。次に来たときは少し元気がなくて…。『親父が心筋梗塞で亡くなった。今度は自分が院長として頑張らないと』と。

 その数週間後、正式にプロポーズを受けました。ホステスの仕事にも疲れていたし、智也ともきっぱり別れるため、結婚を決めました」

 退店理由は体調不良と伝え、父の一回忌を終えた大安の日に婚姻届を提出。

「哲司さんの住んでいる7LDKの自宅兼クリニックで暮らし始めました。医療事務の資格も持っていましたが、『家にいてほしい』と言われ、専業主婦に。

 夫はお酒も控え、休日はジムやジョギング。そのうえ『女性は、美容にお金がかかるだろう』とアメックスのファミリーカードまで渡してくれて、幸せな新婚生活でした」

 しかし、幸せは長くは続かなかった。

「銀座のクラブではドレスや着物を着て、紳士的なお客様と会話していました。でも今は、ジムやご近所ランチばかり。夫は朝昼晩すべて家で食べるし、外出のたびに『どこで誰と会うの?』と聞いてくる。

 正直、息が詰まりました。退店時にスマホも変えていたので、水商売時代の仲間とは連絡も取れません」

元恋人との再会。その日のうちにホテルに

 そんなある日。横浜駅の地下街で「真由香!」と名を呼ばれた。振り向くと、智也がいた。

「思わず『久しぶり!』と駆け寄りました。近くのカフェで近況報告をして、彼がクラブのチーフマネージャーに昇進していたのも驚きました。彼も、私が常連だった哲司さんと結婚したと知ってビックリ(笑)。

 ただ、智也が頑張っている姿を見たら、付き合っていた頃を思い出して、つい涙がこぼれてしまって。結婚して幸せなはずなのに、満たされない毎日が一気に溢れ出して…その日のうちに、ホテルへ行ってしまいました」

 それをきっかけに、2人は再び関係を持った。

「家を空けられない私に合わせて、智也が横浜まで来てくれました。デートは買い物を口実にした2〜3時間。罪悪感があるせいか、逆に夫には優しくできたんです。智也も『店では緊張しっぱなしだから、真由香との時間が癒しだ』と言ってくれました」

夫の一言に戦慄

 復縁から4カ月ほどたったある日、智也さんから衝撃のLINEが届く。

「『昨日、哲司さんがクラブに1人で来た』と。指名ホステスがいなかったのでママが対応したそうですが、帰り際に智也が呼ばれ、『真由香ちゃんとのこと、知ってるから』と笑って言い残したそうです」

 その夜、真由香さんは夫に尋ねた。

「昨日、銀座のクラブに行ったの?」

 答えは――イエス。

「『なぜ真由香ちゃんが知ってるの?』と聞かれて、言葉に詰まっていたら、『もしかして智也さん経由?』と。驚いて黙っていると、『浮気しても大丈夫。真由香ちゃんが帰ってくる家はここだけだから。

 誰と浮気しても、僕は真由香ちゃんがこの家に帰ってくれれば幸せなんだ』と満面の笑みで言われたんです。この時ほど、夫を恐ろしいと思ったことはありません」

夫は全て知っていた

 後日、さらに驚く事実が判明。哲司さんは、初めて真由香さんと会った直後から興信所に身辺調査を依頼していた。

 出身地、交友関係、過去の恋人まで――すべて承知の上でプロポーズしていたのだ。もちろん、智也さんとの「再会不倫」も知っていた。

 それでも慰謝料請求も離婚の話もない。ただ静かに、相手の職場に乗り込み「知っている」と告げただけ。

「その日から、夫が怖くなりました。常に監視されているようで…怒鳴ってくれたほうがマシ。もしかしてストーカー? サイコパス? 智也とも別れて、今は恐怖と後悔の日々です」

 夫の「もう一つの顔」を知ってしまった真由香さん。不倫の代償は、あまりにも大きかった。

(蒼井凜花/作家・コラムニスト)

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