賃貸か購入か…40代からは住まいをどう選ぶ? “おひとりさま”の正解ポイント【資格保有者監修】
「賃貸か、購入か」。
住まいの話題になると必ず浮上するこのテーマは、避けて通れない話題です。特に子育ての必要がない一人暮らし女性は迷うことも多いでしょう。
住まいの選択はライフスタイルの選択そのもの。だからこそ「結局どちらが正解?」「まだ決めかねている」と答えを先延ばしにする人も多いのでは。
しかし40代以上の女性は、「賃貸=自由」「購入=安定」という単純な構図では判断を誤る可能性も。
宅地建物取引士・管理業務主任者の有資格者で実務経験も豊富な並木まきが、おひとりさま女性が“迷わないための視点”を解説します。
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「賃貸」を選ぶメリット【縛られない自由が得られる】
40代~50代は、人生の可動域が広がる人と狭まる人に二分される時期。
役職で職場が変わったり遠距離介護が始まって生活拠点が揺らいだり。子どもが独立して住まいを縮小したくなったり「今さら結婚しない」と思っていたのに急に恋愛が動きはじめたり…。
賃貸の最大の強みは、こうした大きな変化が訪れても柔軟に対応できる点です。
賃貸派の声として多いのは、
・「間取りや日当たり、広さなど、そのときに優先したい条件で住まいを選べる」
・「修繕リスクや建物劣化の悩みを背負わなくて済む」
・「管理組合や自治会の煩わしさがない」
などです。
最近ではひとり暮らし向けでもセキュリティの高い物件も増え、大人世代にも安心感が広がっています。
「購入」を選ぶメリット【理想の住まいを叶えやすい】
購入のメリットはシンプル。
老後に生じがちな「住まいが不安」のストレスを大きく減らせる点でしょう。
また、もしも自分が住まなくなれば、家賃収入を老後資金に回せる点も魅力です。
購入派の意見としては、
・「住宅ローン控除を活用しながら資産形成ができる」
・「老後を見据えた質の高い住環境を手に入れられる」
・「支払った分が確実に自分の資産になる」
です。
40代~50代で“終のすみか”を意識し始める人は多く、住まいの質へのこだわりも高まるでしょう。
ただし住宅ローンの完済年齢は、一般的に80歳。ローンを組むなら40代〜50代前半が最後のチャンスと捉えるべき現実もあります。
本題!40代女性の住まい選び「判断ポイント」3つ
さて、「賃貸で自由に生きるべき? それとも、そろそろ買って安心を持つべき?」の問いは、40代になると一気に“現実味”を帯びてきます。
親の介護、パートナーとの再婚・同棲問題、老後への不安…と、住まいの選択が大人女性の人生を左右する“重要な意思決定”になりがちです。
おひとりさまだからこそ、見落としたくないポイントを整理してみましょう。
1. 「50代の自分」はどう生きていたい?
<こんな未来なら「賃貸派」>
・転職や独立など、働き方の大きな変化をまだ見込んでいる
・パートナーの有無や結婚観が大きく変わる可能性あり
・健康なうちは身軽な生活をキープしたい
<こんな未来なら「購入派」>
・収入や働き方を大きく変える予定はない
・この先は仕事と暮らしの拠点を安定させたい
・老後の住まい不安を早めに解消したい
2. 老後の住まいリスクをどう捉える?
<こう考えるなら「賃貸派」>
・まとまった現金を使ってしまうよりも、老後資金を厚く持っておきたい
・資産としての不動産所有に魅力を感じない
・高齢でもURやシニア向け賃貸などの選択肢はあると思う
<こう考えるなら「購入派」>
・老後に住まいを確保できない事態を絶対に避けたい
・月々の住居費を家賃よりも低く固定したい
・いざというときに売却できる価値があるものにお金を使いたい
3:生活拠点をどこに置きたい?
<こういう価値観なら「賃貸派」>
・親の介護が始まればすぐに地元に戻りたい
・住みたい街が特になく利便性で選びたい
<こういう価値観なら「購入派」>
・長く住みたいエリアがすでに決まっている
・実家との距離や生活環境など住みたい場所の優先順位が明確
結論!損得よりも「心の安定」に重点を
賃貸の弱点は「高齢になると借りにくい」、購入は管理費や修繕積立金がずっと続く。
このように、どちらにも弱点はあります。つまり、どちらも「完璧」ではありません。
だからこそ40代以上のおひとりさまが重視すべきは、お金の損得よりも「心の安定」がどちらで得られるのか?の視点です。
経済の先行きも物件価格や金利の変動も読みにくい今は、これまで以上に「正解」には個人差が広がっています。
こういう時代には、まずは自分の価値観を丁寧に棚卸し!
そのうえで「どちらが自分の未来に安心(安定)を与えてくれるか?」で決めるのが、後悔しないための確実な方法のひとつです。
(並木まき/ライター・エディター)


















