資産管理会社「ききょう企画」を舞台に大塚家具株の争奪戦
この争いが複雑なのは、勝久氏が訴訟を提起する3日前の13年10月25日に、「ききょう企画」が久美子氏に対して大塚家具の株式189万2000株を譲渡担保として提供していたことだ。
これが本当であれば、久美子氏は「ききょう企画」の債権者となるが、勝久氏側は久美子氏による「ききょう企画」への貸し付けや借り入れは「実体もない契約であり、無効だ」と主張。15年2月25日には、株式の名義を久美子氏から「ききょう企画」に戻すよう要求している。
■10%を保有する第2位株主
当時、すでに久美子氏は勝久氏側の千代子氏と勝之氏を「ききょう企画」の取締役から解任(14年1月)し、追い出していた。同年7月には大塚家具の社長を解職されるが、大塚家具の第2位株主である「ききょう企画」は、久美子氏にとって大塚家具での復権と地位確立の牙城となっていたのだ。
勝久氏が提起した訴訟の判決は、天下分け目の株主総会に間に合わず、「ききょう企画」の存在は勝久氏陣営を奈落の底に陥れることになる。(つづく)
(ジャーナリスト・松崎隆司)