日本総研・藻谷浩介氏 「安倍政権は経済的な“反日”の極み」

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 アベノミクス以降、日経平均株価は9割も上がったのに、国内の小売販売額は1%しか伸びていない。13年の小売販売額は139兆円で、12年の138兆円とほとんど変わっていないのです。国民や中小零細企業の大多数は、円安で輸入原材料費が上がって経費がかさむばかりで恩恵の実感はありません。

 株が上がって儲けた人がどんどん使えばいいのですが、彼らは金融商品を買うばかりで、国内でモノを買わない。海外にビルが建つだけです。「飢えている人の横で、食べ物を冷蔵庫にしまい込んで腐らせている金持ち」というような行動です。

■仏・伊方式に活路がある

――マネー資本主義に毒されているのは、米国も同様に見える。日本が参考にすべき国はあるのだろうか。

 資源もないのに日本に対して貿易黒字のフランスやイタリアに注目しています。両国とも日本人ほど働いているという話は聞いたことがないのに、日本の方が赤字です。彼らが売り込んでいるのは、ブランド衣料宝飾品に加えて、田舎の産品であるワイン、チーズ、パスタにオリーブオイルなどです。ハイテクではなく、デザインと食文化を売っている。日本だって、里山の恵みをもっと生かして、同じような路線を追求できるはずです。

▽もたに・こうすけ 1964年生まれ、山口県出身。東大法卒。日本開発銀行(現・日本政策投資銀行)を経て、日本総研調査部主席研究員、日本政策投資銀行地域企画部特別顧問。「デフレの正体」など著書多数。

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