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森山高至
著者のコラム一覧
森山高至建築エコノミスト

1級建築士。1965年生まれ。岡山県井原市出身。岡山県立井原高から早大理工学部建築学科に進学し、88年に卒業。斎藤裕建築研究所を経て、91年に株式会社アルス・ノヴァを設立し、代表に就任。04年に早大政治経済学部大学院経済学修士課程を修了した。建築家として関わった物件は1000件以上。長崎県の大村市協定強建替え基本計画策定など、公共建設物のコンサルティングに携わるほか、マンガの原作などの仕事も手掛ける。

<第1回>偽装問題に矮小化すれば「事件」はまた頻発する

背景にゼネコン神話の崩壊

 横浜市の傾斜マンションが発端になった杭工事データ偽装問題は建設業全体の問題となりつつありますが、私は当初から非常に奇妙な「違和感」を抱いています。

 ひとつには、マンションを販売した三井不動産レジデンシャルが、早々に全棟建て替えを住民説明会で発表したこと。さらに、杭工事を行った旭化成建材による全面謝罪です。建物全体の問題を抜きにして、いきなり2次下請け会社が、原因や詳細が明らかになる前から謝罪を繰り返すという事態に、です。

 三井不動産レジデンシャルの言い分は一見、「不良品を販売しましたので交換させていただきます」という誠意ある回答に聞こえます。同時に「偽装が原因のすべて」という、単純なものと受け止められ得るものでした。

 いかにもさっさと沈静化させようという拙速すぎる対応は、事態をさらに悪化させていくのではないか。そういう懸念が私にはありました。そこには問題の当事者がいない、と。

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