春名幹男・早大客員教授「米軍が守ってくれるなんて幻想」
■官僚が作為的翻訳で“協力”
――「適切な支援」という言葉がまた曖昧ですね。
適切かどうかは米軍が決める。情報提供だけでも支援になる。血を流すとは限らない。しかも、英語の原文に当たって驚きました。ガイドラインは英語で交渉し、英語で文章を作る。それを官僚が翻訳するのですが、その際、作為的に米軍が日本の防衛に積極的に関与するかのような翻訳をしているのです。
――情報操作ですね。
例えば「主体的」ですが、英文にはprimary responsibilityとある。「主な責任」という意味で、主体的とはニュアンスが違う。「支援し補完する」も英文はsupplement。栄養補助食品に使う言葉で、補足する、追加するという意味です。補完するであれば、complementがふさわしくて、78年版ではcomplementが使われていた。米軍支援のニュアンスは明らかに後退しているのです。さらに15年版には「米軍は自衛隊を支援し、補完するため、打撃力の使用を伴う作戦を実施することができる」という日本語がありました。「できる」というからにはcanだと思ったら原文はmayだった。してもよい、するかもしれない、という意味ですよ。共同作戦も通常はjoint operationだが、原文はbilateral operation。「2国の作戦」という意味で、これを共同と訳すには無理がある。
