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高橋乗宣
著者のコラム一覧
高橋乗宣エコノミスト

1940年広島生まれ。崇徳学園高から東京教育大(現・筑波大)に進学。1970年、同大大学院博士課程を修了。大学講師を経て、73年に三菱総合研究所に入社。主席研究員、参与、研究理事など景気予測チームの主査を長く務める。バブル崩壊後の長期デフレを的確に言い当てるなど、景気予測の実績は多数。三菱総研顧問となった2000年より明海大学大学院教授。01年から崇徳学園理事長。05年から10年まで相愛大学学長を務めた。

戦略なき浪費内閣が閉ざす財政健全化の道

選挙目当ての場当たり策

 2016年度予算案が成立した。96兆7000億円余りとなる一般会計の総額は過去最大となり、安倍政権の誕生後、実に4年連続で歳出額は過去最大を更新した。その中身たるや、アレもやる、コレもやるというテンコ盛り予算だ。事業を目いっぱい詰め込むことで、安倍政権は国民の要求に応えたつもりでいるのだろう。あまりにも短絡的すぎる発想であり、「戦略なき浪費内閣」と言わざるを得ない。

 新たな借金となる新規国債の発行額は34兆4000億円。歳入に占める国債依存度は35%強と、かなりの部分を借金に頼っている状況だ。しかも、異次元緩和に踏み切って以降、日銀が世に出回る国債の大半を買い占めている。緩和策がマイナス金利に行き着き、国債利回りまでマイナス圏に突入。国債を保有することで損失が発生する事態に陥っても、日銀の旺盛な購入ペースは変わらない。

 日銀が損失覚悟で国債を大量に購入する姿勢は、先の大戦の遂行のため、無軌道に発行された戦時国債を彷彿させる。敗戦後、巨額の戦時国債の処理に政府が困り、日銀に支払いを引き受けさせると、ハイパーインフレを招いてしまった。この国の負の歴史のひとつである。

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