ちらつく「ドン」の影 後任社長人事に透ける東芝の“病巣”
「リストラされた社員が浮かばれない」なんて陰口も飛び交っている。
不正会計問題でガッタガタになった東芝は、室町正志社長(66)が6月下旬に退任し、後任に綱川智副社長(60)を昇格させる方針を固めた。が、疑問は残る。長らく「東芝のドン」として君臨していた西室泰三・前日本郵政社長(80)の“影”もちらついている。
綱川氏は79年に入社以来、医療機器事業の企画や営業を担当。キヤノンに6655億円で売却した医療機器子会社の社長も務めていた。
「白物家電事業を中国に売却した東芝の経営再建は、半導体、原子力、エレベーターなど社会インフラの3本が軸になる。医療機器出身の綱川さんはまるで“畑違い”というわけで、社内には不安視する向きもあります」(東芝関係者)
そもそも後任社長には綱川氏のほかに、志賀重範氏(62)と成毛康雄氏(61)の2人の副社長の名前も挙がっていた。主力の半導体を担当する成毛氏が「有力」と報じたメディアもあったのに、なぜ? だ。