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消えない傷あと 福島移住の柳美里氏が触れた被災者の思い

賠償金をめぐる地域コミュニティーの断絶

  ――実際に住んでみた被災地・福島は想像とは違いましたか。

 地域コミュニティーや家族同士の断絶が深刻です。仮設住宅近くのコインランドリーで出会ったおばあさんから聞いた話ですが、原発事故の影響で農業ができなくなり趣味のサークルに入った。ところがそこで「(警戒区域の)小高の人はお金もらえていいよね」と言われ、黙っていられなくて「じゃあ代わってくれ!」と言ってしまい、サークルに通えなくなったんだ……と。こうした賠償金をめぐる話はよく聞きます。

 旧「警戒区域」の方が賠償金を受け取るのは当然、失ったものはお金などでは償えないものだと思いますし、家族を亡くした人の「お金じゃないんだ」という気持ちはごもっともです。一方、避難区域外で津波に遭い、家族、家など全てを失った人が、区域内の方を羨ましく思ってしまう心の動きもやむを得ないものだと思います。

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