孫崎享
著者のコラム一覧
孫崎享外交評論家

1943年、旧満州生まれ。東大法学部在学中に外務公務員上級職甲種試験(外交官採用試験)に合格。66年外務省入省。英国や米国、ソ連、イラク勤務などを経て、国際情報局長、駐イラン大使、防衛大教授を歴任。93年、「日本外交 現場からの証言――握手と微笑とイエスでいいか」で山本七平賞を受賞。「日米同盟の正体」「戦後史の正体」「小説外務省―尖閣問題の正体」など著書多数。

教育の公的支出を減らし続ける日本は衰退の一途をたどる

公開日: 更新日:

 1968年、日本が世界第2位の経済大国になった。当時、世界各国が驚き、なぜ、「日本の奇跡」が起こったのかと、さまざまな調査団を日本に派遣した。その後、調査結果として、おおむね次のように指摘された。

①非軍事を貫き、資源を専ら経済に回した②労働者レベルでの高い教育水準③「日本株式会社」と呼ばれるように、政府が優れた方針を打ち出し、それを国家が一体になって推進した――などだ。

 ところが、今や、それらは全て消滅してしまった。エネルギー政策でも、原子力発電が「安い」「安全」というのが単なる幻想と分かっても固執している。ドイツなどが自然エネルギー重視に転換したのとは真逆の動きである。

 OECD(経済協力開発機構)は8日、加盟各国のGDP(国内総生産、2017年)に占める教育機関向けの公的支出の割合(小学校から大学に相当)を公表した。それによると、日本の比率は2・9%で、38カ国のうち、アイルランドに次いで下から2番目。OECD平均は4・1%で、最高はノルウェーの6・4%。米国は4・2%、英国が4・1%、ドイツと韓国は3・6%だった。

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