小林節
著者のコラム一覧
小林節慶応大名誉教授

1949年生まれ。都立新宿高を経て慶大法学部卒。法学博士、弁護士。米ハーバード大法科大学院のロ客員研究員などを経て慶大教授。現在は名誉教授。「朝まで生テレビ!」などに出演。憲法、英米法の論客として知られる。14年の安保関連法制の国会審議の際、衆院憲法調査査会で「集団的自衛権の行使は違憲」と発言し、その後の国民的な反対運動の象徴的存在となる。「白熱講義! 日本国憲法改正」など著書多数。新著は竹田恒泰氏との共著「憲法の真髄」(ベスト新著)

菅首相が表明した「桜を見る会」中止は悪事の自認に等しい

公開日: 更新日:

 16日の記者会見で、菅首相は、首相主催の「桜を見る会」は2021年以降は「中止」すると表明した。

 周知の通り、19年春の同会を安倍首相(当時)が私物化したことが問題になり、その際の招待者名簿は、野党議員による資料請求の直後に廃棄されてしまった。

 菅首相は、当時、安倍内閣の官房長官として、「桜を見る会」の私物化を知る立場にあった。それは、公選法違反の買収、刑法違反の背任、横領、財政法違反の予算の目的外使用であるからこそ、その証拠である記録は表に出せるものではないのであろう。しかし、日本国の行政において記録は必ず存在する。

 そのような行事を「やめた」ということは次のような意味があるだろう。①まず、21年に先例通りに「桜を見る会」を開催した場合、当然にマスコミ等により監視・記録され、必ず、説明に窮する事実が出てくるはずである。だからといって、それを避けた内容では会を開催するうまみがない②また、会を続行した場合、当然のことながら次回に向けて記録を残さなければならないはずで、そこで、記録を残さなかった19年との矛盾を突かれて返答に窮することになる③さらに、19年の首相の「犯罪」の公訴時効は3年であるから、22年5月までは刑事事件として立件できる。だから、全ての証拠を知り得る立場にいた新首相としては、時効が完成するまで「桜を見る会」が政治問題化して国民の中から19年の会に関する資料請求が湧いて出てくることは避けたいはずである。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新の政治・社会記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    伊藤健太郎のひき逃げ逮捕で注目された「野村周平」のナゼ

  2. 2

    ソフトVの裏に非情の工藤采配 内川退団決意と次期監督問題

  3. 3

    竹内涼真“恋愛醜聞”で好感度ガタ落ち…ネットに罵詈雑言が

  4. 4

    やっぱり?組織委&警察「五輪中止」折り込みドタバタ人事

  5. 5

    中日エース大野雄大に残留情報 巨人垂涎もコロナで資金難

  6. 6

    伊藤容疑者ひき逃げ逮捕で“俳優生命”の危機…映画界パニック

  7. 7

    菅首相の“オトモダチ”に「公有地払い下げ」の異様な経緯

  8. 8

    大阪維新・冨田市長の前代未聞の公私混同 都構想に大打撃

  9. 9

    岩隈引退は「第1弾」…巨人の大リストラがついに始まった

  10. 10

    ロッテ澤村でメジャー争奪戦か 欲しがる球団と積まれる金

もっと見る