「労働組合」と「政党」の違いをわきまえない連合の不可解
かつて希望の党と民進党が合併を模索して失敗した時も、最近、旧立憲民主党と旧国民民主党が対等合併を進めていた時も、また、野党共闘が議論される時も、必ず、そこに連合が当事者然として介在していた。
しかし、私はいつもそれを見て「不可解だ」と思っていた。
それは、政党と労働組合は「異次元」の存在だからである。
政党は、一般に「政治上の主義を同じくする者たちがその主義を実現するために活動する団体」と定義される。これを別の角度から定義すると、「国家権力を掌握し、または国家権力に影響を与え、それにより国民全体の福利の向上を目指す団体」である。
これを具体的に説明すれば次のようになる。公明党は、「創価学会の利益を守る団体」ではなく、「創価学会の教義である『立正安国』の実現こそが全国民の福利の向上につながる……と信じて活動する団体」である。共産党も、「労働者階級の利益のみを目指す団体」ではなく、「弱肉強食の資本主義を超えて、資本の私的独占を許さず、それを公的に管理・運営し利益を配分してこそ国民全体の福利が向上する……と信じて活動する団体」である。