上川法相は“鋼のメンタル”官邸の狙いは「法務検察潰し」
上川陽子法相(静岡1区・衆院6回)
大臣就任は4度目、法相は3度目だ。うちわ配布問題で辞任した松島みどり元大臣の後任、共謀罪法の国会審議を混乱させた金田勝年元大臣の後釜と、“手堅さ”を評価され、火中の栗を拾う役回りである。
今回のミッションは、官邸と対立する法務検察対策ともっぱらだ。“官邸の守護神”と呼ばれた黒川弘務前東京高検検事長の退任を受け、7月に就任した林真琴検事総長とは犬猿の仲。
「上川さんは2度目の法相時代、官邸の意向を受けて“黒川検事総長”実現に向けて動いた。法務検察の人事案は、刑事局長だった林さんを事務次官に昇格させ、総長へとつなぐものでしたが、上川さんが次官就任を断固拒否。“林総長”の芽を潰し、“黒川総長”の流れをつくろうとしたのです」(検察関係者)
しかし本命は賭けマージャン問題で辞職。むげにした人物が復権した。
■アベ友でスガ友
米ハーバード大学院で学び、米上院議員の政策立案スタッフを務めた国際派。第1次安倍政権で少子化担当相として初入閣した。東大同級生の夫は山口県下関市出身。安倍前首相を囲む「晋三会」に夫妻で参加。一方、永田町では「事実上のスガ派」とも。上川氏が浪人中、上川氏の秘書を菅首相が事務所に引き取ったほど親しい間柄だという。