孫崎享
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孫崎享外交評論家

1943年、旧満州生まれ。東大法学部在学中に外務公務員上級職甲種試験(外交官採用試験)に合格。66年外務省入省。英国や米国、ソ連、イラク勤務などを経て、国際情報局長、駐イラン大使、防衛大教授を歴任。93年、「日本外交 現場からの証言――握手と微笑とイエスでいいか」で山本七平賞を受賞。「日米同盟の正体」「戦後史の正体」「小説外務省―尖閣問題の正体」など著書多数。

東京五輪の開催は「人類が疫病に打ち勝った証し」なのか

公開日: 更新日:

 菅首相は9月26日の国連総会演説で、2021年夏に延期された東京五輪の開催に向けた決意を表明した。

 首相は「人類が疫病に打ち勝った証しとして開催する決意だ」と語っていたが、本当に開催できるのだろうか。

 感染者がどのように推移しているか。米ジョンズ・ホプキンス大学の発表によると、全世界の新規感染者数は五輪延期を決めた直後の3月25日時点では4万1508人だったが、菅首相の国連演説時は33万5488人。つまり、延期を決めた時期の約8倍に増加している。とても「人類が疫病に打ち勝った証しとして」開催できる状況にはない。

 実施を決定するとしたら、「人類は疫病に全く打ち勝っていない」にもかかわらず、「強引に開催する」ということだ。

 そもそも今の五輪は、古代ギリシャで発祥した崇高な精神を受け継いでいる大会なのだろうか。

 東京五輪招致委員会は五輪の開催地決定前後、海外に11億円を送金。うち、3700万円はアフリカ票の取りまとめに影響力があったディアク氏の息子に渡っていた。

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