菅首相の学術会議任命拒否に学者、文化人ら続々と抗議表明
「傲慢で不誠実だ」「表現の自由にも関わる」――日本学術会議が推薦した新会員候補6人を菅義偉首相が任命しなかったことに、学者や各界の文化人らの間で強い抗議の動きが広がっている。インターネットでは菅首相や政府の姿勢を批判する投稿が相次ぎ、抗議の署名も日々増えている。
戦前・戦中の言論弾圧を振り返り、「誤りを繰り返すべきではない。学問に忖度を強いる政治介入を一度許せば次回もそうなる」と、古川隆久日大教授(日本近現代史)らの歴史学者が提唱した抗議のネット署名は、約14万人が賛同。この問題を巡っては、作家やタレントら文化人や映画、演劇、美術、医師などの団体からも抗議声明が相次いでいる。
ツイッターでは「#日本学術会議への人事介入に抗議する」というハッシュタグ付きの投稿が、問題が明らかになった今月1日から数日で25万件を超えた。作家の村山由佳さんが「任命権は人事権ではないはず」「火を消し止めるなら今だ」などと呼び掛けた一連の投稿は8000回以上リツイートされた。