菅首相「6人排除」の裏に“官邸ポリス”杉田副長官が暗躍
日本学術会議の会員候補の任命拒否問題で衝撃の新事実だ。菅首相が先週、6人が“排除”される前の105人のリストを「見ていない」と発言。ならば実際に排除したのは誰なのかという疑問が生じていたが、杉田和博官房副長官が関与していたことが分かった。菅首相も6人を外すことを決裁前に把握していた。菅政権は本気で学者を力でねじ伏せる気だ。
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菅首相が今回の人事を決裁したのは9月28日。12日の時事通信によると、杉田副長官が菅首相の決裁前にリストから外す6人を選別。報告を受けた菅首相自身も6人の名前を確認した。菅首相は105人のリストそのものは見ていないが、6人排除の意志は固かったという。
実は、任命拒否問題が発覚した当初から、6人除外に“官邸ポリス”が暗躍していた可能性が囁かれていた。
「第2次安倍政権発足時に官房副長官に就任した杉田氏は警察庁出身で、公安畑を歩いてきた。その経歴から、同じ警察庁出身で内閣情報官から国家安全保障局長に抜擢された北村滋氏などとともに“官邸ポリス”と呼ばれています。安倍政権は少なくとも2016年の欠員補充時から、学術会議の人選に介入し始めたとみられている。17年の改選時には杉田氏が会議側の会長らと選考について相談していたといいますから、『今回も杉田氏が関わっているだろう』と噂になっていました」(永田町関係者)
杉田副長官の関与については、元文科事務次官の前川喜平氏もツイッターで〈おそらくこんな経緯〉と前置きし、興味深い投稿をしていた。
〈学術会議から推薦者名簿が内閣府に届いた→内閣府が杉田官房副長官に名簿を説明→杉田副長官が全員の身辺調査を内調に指示→身辺調査の結果を携えて杉田副長官が菅首相・加藤官房長官と相談→菅首相が6人の排除を決定→6人を除いて起案するよう杉田副長官から内閣府に指示〉
前川氏がこう推測したのは、自身の実体験があったからだろう。4日付の「週刊朝日」電子版でこう語っている。
〈私が事務次官だったとき、文化審議会の文化功労者選考分科会の委員の候補者リストを官邸の杉田和博官房副長官のところにもっていきました。候補者は文化人や芸術家、学者などで、政治的な意見は関係なしに彼らの実績や専門性に着目して選びます。それにもかかわらず杉田さんは「安倍政権を批判したから」として、二人の候補者を変えろと言ってきました〉