東住吉事件<前>息子の手を引き離され警察の車に乗せられた

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 本来、安心であるはずの家庭で、地獄の日々を娘が送っていた。そのことに思いが至った青木さんは絶望する。

「すごく苦しくなってしまって。『めぐちゃんに申し訳ない、早く死んであの子のそばに行きたい』と思いました」

 そうして散々、気持ちを揺さぶられた後、自白に追い込まれる。

「『やったんやな』と刑事に言われ、うなずいてしまいました。もちろん私からは、『やりました』と言っていないですよ」

 さらに刑事たちは畳み掛けてくる。

「白い紙とボールペンを渡され、誘導して書かされるのです。でも間違っていたら、怒鳴られたり、なだめられたりしました。これで自供書が出来上がる。証拠も動機も何もないから、この紙が後ですごい証拠になるわけです」

 青木さんはその後、黙秘した。娘のために絶対認めてはいけないと思っていたからだ。しかし、それが認められることはなかった。9月30日には放火殺人で起訴され、10月に入ってからは保険金詐欺未遂で起訴された。 =この項つづく

(ジャーナリスト・西牟田靖)

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